アルクだけの女になったウェンヌはレイプされかけた怒りをパワーに変え、巨大な丸太を片手で掴み上げてしっかり抱え、構えた。
アルクだけに触れることを許した自慢の乳房を触った罪は万死に値したが、手加減しろという指示には忠実に守らなければならない。
許せませんの一言に乗せて大木を振り抜き、巨躯とトンガリを一発で吹き飛ばした。
すると意外と仲間想いのリーダーが敵討ちに挑みかかったが、まず大木と剣ではリーチが違い過ぎた。
リーダーは剣の間合いに入ることもできずに脳天に振り落とされ、首が縮こまって一発KOされた。
アルクがなぜ乳を丸出しにされるまで反撃の許可を出さなかったのか言及されることなく、何食わぬ顔で野盗に憐憫の眼差しを向けた。
木に縛り付けられた状態で目を覚ましたリーダーは、手も足も出なくてもアルクには強気に出るが、ミーネを目にしてびっくり仰天した。

野盗とミーネは顔見知りらしく、お頭と呼ばれた彼女も田舎の野盗に成り下がった彼らに憐憫の眼差しを向けた。
そして最近ナーガラ領で何が起こったのか知っているかと訊かれたことで、野盗は商人だと嘯く少年の正体が巷の噂になっている冷血非道な新領主だと気づいた。
アルクはもう身分を隠そうとせず、ワンコインと引き換えにゴーチェ領の情報を教えろと交換条件を持ちかけた。
もちろん野盗側が拒否すれば、今度は洒落にならないウェンヌの制裁が加えられることになる。
股間の傍に剣を突き立てられたリーダーはアルクの圧に気圧され、口を開いて喋り始めた。
北の地底から溢れ出している瘴気。
人がどんどん死に、モンスターは止めどなく増殖。
軍も対処し切れなくなっている今、白く美しい国だったゴーチェは今や地獄だと語る。
その話にウェンヌは鳥肌が立った。

それだけじゃなく、野盗は雪原の魔人と呼ばれるサスカッチという白毛の巨大猿を目撃していたのだ。
伝説上の生き物とされるサスカッチ目撃談は、果たして真実か否か…
アルクたちが奇襲を受けて返り討ちにしていた頃、セリーヌとジョアンナは第一のダンジョンに臨もうとしていた。
意気揚々と訪れたコカトリスがいる森の中の遺跡は、他に探索者もいないようで静かなものだった。
危険度が高いから挑戦する者が少ないのだろうとジョアンナの説明がされながら、二人は奥深くへと足を踏み込んでいった。
その後を、堅気には見えない犯罪者面の男たちが追いかけていた。
あの夜の酒場で、セリーヌに容易く恥ずかしい目に遭わされた男たちだった。
それに気づかず、セリーヌを先頭にあの神秘的な光の魔法で行く先を照らしながら、慎重に進んでいく二人。
一際狭い場所に辿り着いたその時、前方からチューチューと可愛らしい泣き声が聞こえてきたかと思うと、すぐにおぞましい音に変わった。
最初にエンカウントしたのは、夢の国に入国できそうもないデンジャーな巨大ねずみのキラーラットだった。

しかし、たかがネズミ。
セリーヌは冷静に飛びかかって来た一匹を切り捨てると、華麗なステップの返す刀で二匹目も一撃で仕留めた。
だが、手数が間に合わずに一匹に突破され、ジョアンナを狙われてしまった。
とて、ジョアンナもたった二人パーティーでダンジョン探索を決めた以上、ネズミ程度にやられるレベルでは到底なかった。
冷静に呪文を唱えてメイスを振ると、石をも切り裂けそうな水の刃が飛び出した。

キラーラットは一刀両断され、サラサラと体が消えていくとその中から煌めく鉱石が出現した。
それがいわゆる魔石だった。

































