11話
今日は激しく雨が降っていた。
着替えながら藤花が考えていたのは、親身に味方になってくれたレイがなぜ手の平を返したのか?
それはレイが夫の健を見るメスの顔で、察しないわけにはいかなかった。
村田に言われた言葉がその通りだと感じた藤花が自分で頑張るしかないと思ったその時、ゲス夫の健は自分が突き入れた尻を見つめていた。

今日は高雪の夫が手掛けた仕事関連のパーティーが開催され、藤花たちも出席することになっていた。
いやらしくSNSもブロックされてレイと連絡が取れなかった藤花は、彼女と話すことを目的に会場内を眺め、胸元がぱっくり開いた深いスリットのドレスを着て好色親父たちに愛想を振りまいているレイを見つけた。
レイも藤花に気づくと、二人の間に何もなかったように声をかけた。
しかし、勝ち誇ったようにねめつけた。
場所を移し、豹変したレイの圧力にビクつきながらも、藤花は健との間に何があったのか問い質した。
するとレイは隠し立てする気はないようで、急に健のことを褒め出し、肉体関係を持ったことを仄めかした。

さすがに聞き捨てならなかった藤花が気色ばむも、レイは一切自分は悪くないと思っているかのように藤花の顔を掴み、スカートの中に手を突っ込み、苦労を乗り越えたことがないくせにと罵った。
一時の友情は完全になかったことにして、嫌悪感を言葉にしたレイ。
健の表面だけに惹かれて蔑まれているとも知らず、堕ちていくレイの本質を見た藤花は、ここで決別することに決めた。

レイが何も言わずに藤花の背中を見送った直後、すぐ近くで健が会話を聞いていたことに気づいた。
レイは浅ましくごまかし、こんな場所でも従順なメス犬だと示して切り抜けようとする。
しかし健はいつまでも女の子気分でいるアラサー女を嘲笑い、束の間の不倫関係に終わりを告げた。

誰よりも優れていると信じ、全ての他人を蔑む真性のクズは他人に上回られることを恐れ、許さず、この関係を公にすれば失うものが大きいだろうと脅してから去った。
ただ遊ばれていただけだと信じたくないレイは、無視されてもしつこくメッセージを送り続けた。
後日、犬の散歩から帰ってみると見慣れない男物の靴を見て健が来ているのかと思い、喜び勇んでリビングに駆け込んだ。
もう不倫相手の名前を口走るほど無防備になっていたレイを待っていたのは、夫が呼んだ弁護士だった。
心当たりが多いレイでも、いきなり離婚を切り出されると理解が追いつかなかった。
と言うより、この生活を逃したくないレイはどうにかしようとして縋り付いた。
しかし、高雪にもう話し合うつもりなどなかった。
初対面の弁護士と相対し、つらつらと色々なことを伝えられている間、一つも頭に入ってこないまま、心中で自分の不倫の原因はセック〇を拒否し続けた夫にあるのに、と責め始めた。
そうすると、悪くはなかった優しい夫との生活が蘇ってきた。
家事の一つをちゃんと褒めてくれる包容力。
それはそれで嬉しいし励みになるが、やはり夜の相手を全くしてくれなくなったことは耐え難いことだった。

優しい言葉、温和な態度、好きなようにさせてくれた贅沢。
レイはやっと、自分が一番欲していることを理解してくれない男と結婚したミスを顧みた。
レイの離婚を知った結月は和子と一緒に、この町を出る前に別れの場に出向いた。
イカツイ車に乗ってやって来たレイは思いのほかスッキリした表情で、それもそのはず、夫が財産分与を放棄してくれたおかげで大金を手に入れ、ついでに家も売ってしばらく自由な暮らしができる状態だった。
平均的なサラリーマンの一生分くらいの資産を手に入れたレイは愛犬を連れ、嵐のように彼女たちの前から消えたのだった。

結月と和子には何も相談せず、レイが蓮澄を出たことを知らされた藤花も気合を入れ、クズ夫との関係を前に進めることにした。
そして第一シーズンラスト12話では、ついにえげつないモラハラ浮気夫に付き従ってきた藤花が、この最低な生活を終わらせるために動く。
どこまでも自己中な健の過去と、変わらない腐った性根。
夫婦の肩書を嵩に着た無理やりなレイプにも怯まず、声を張り上げる藤花。

今日も蓮澄は、高い離婚率を維持し続ける…
感想
夫を噛む3巻9話10話11話12話でした。
レイも人の見る目があるようでいて、タイプの男にはあっさり支配されるドMなのは個人の趣味なのでいいとして、不倫はいけませんね。
今のところ、不貞を働いていない結月夫婦だけの幸せを願いたいと思います。
これで藤花たち4人のエピソードは完結みたいなので、新たな人妻たちを楽しみに待ちたいと思います。
https://www.kuroneko0920.com/archives/72784



































