肉食
まだこの世界の常識をあまり知らなかった頃、ハルは堂々と女一人で店に入って漫画に出てくるような肉にかぶりついていた。
しかし男尊女卑がエグいこの世界では、女一人で飯を食うなんて恥ずべき行為らしく、一人で街をうろついているだけで怒れる男に叱られることも少なくなかった。
だから、現代の知識で女子が群がってきそうな映える店でもオープンしようと思っていた企みは、あっさり打ち砕かれた。
それを教えてくれたのは、末娘だから売り飛ばされた可愛い系先輩のルぺだった。

酒と飯の提供、春を売る、それ以外にも青猫亭ではちょっとした出し物的なショーもやっていた。
ただハルは重度の音痴で秀でた特技もないので、偶然踊れるオタ芸で妖艶な魅力を放つ上位組の歌姫シクラソのライブを盛り上げる役目を担っていた。

そんなこんなでオープンすれば、あっという間に席が埋まっていく人気店の青猫亭。
そしてその夜は、かなり金を持ってそうなボンボン系デブが来店したのだが、明らかにハル目当てで来たっぽかった。
そうと分かればハルはぐいぐい距離を詰めて営業をかけ、相席チャージ代をせしめ、呼びやすい様に相撲部(スモーブ)とあだ名を強引につけた。

ハルにピュアなラブを抱いているスモーブは、どうやら自分ちの食堂に来店したハルの肉の食べっぷりの豪快さと非常識さに惚れたらしい。
女としては微妙に嬉しくないハルだが、商売繁盛店の息子でボンボンなのは確定なので売り込みをかけるが、ウブなスモーブは結局性行為まで買うことはせず、彼女は他の客の指名で二階へと。
しかし今回の指名客は、できれば遠慮願いたい荒い男だった。
男尊女卑を地で行くその男は、尻叩き、首絞め、濡れてなくても一気に挿入で完璧にハルを物扱い。

首を絞められるせいで苦しさと恐怖が増せば、自然とマン〇を締め、それで男は一層興奮する悪循環。
元の世界の援交では経験しなかったハードさにストレスが蓄積していく。

それでも事が終わって酒場に戻れば、笑顔を振りまけるほどまだ生きる希望を失っていなかった。



































