親も持て余す子
大量殺人を犯し、一部の熱狂的な信者を獲得し、VR世界でアバターを作られるまでになった小田嶋紗良。
サラに共感し、崇拝した者の中にいのりの友達のまあちゃんがいた。
シューニャとニルに呼び出され、VR世界で待ち合わせ場所に行ったいのりが見せられたのは、小田嶋紗良の崇拝者が集まっているサラアバターの集会だった。
虐待の被害者が大量殺人を犯したことで、何かを溜め込んでいる人々が無責任に声高に殺意を叫んでいた。

自殺者然り、凶悪殺人犯然り、そういった者を崇め奉る人間はいつの時代も一定数出てくるものだった。
そしてこのグループを率いているのは、サラアバターを独自にカスタイマイズしているローザというアカウントだった。
ローザはサラの無罪放免を目標に掲げていた。
小田嶋紗良が恐ろしい大量殺人犯になったのも、社会が全て悪いと言い切り、犯行も彼らにしてみれば抵抗という言葉に置き換えられた。

被害者、遺族にとっては許しがたいことだったが、現状で思想信条を罰することはできない。
待ち合わせた目的が終わり、現実に戻ったいのりは、早々に帰ろうとするニルを引き止め、陽子に頼まれた通り、ニルにまともな食事を摂ってもらおうと歩み寄った。
しかし彼がにべもなくドライな関係を貫こうとするので、いのりはニルのアバターから心理分析をして共感していることを伝えた。
するとニルもいのりのアバターから心理分析し返すと、肯定も否定もしないいのりの消えない傷を露わにし、軽くからかった。

そして、いつお互いを殺さなければならなくなるかも分からない前提がある以上、馴れ合う気はないと拒否したのだった。
サラ崇拝者の集会に参加していたまあちゃんは、ローザが声高らかに叫ぶ煽りに心が沁み入り、今までの辛い人生を振り返ってサラに感謝し、号泣した。

まあちゃんは小太りブスで、男子からも容赦なく暴力を振るわれるイジメを受けてきた。
理不尽に暴力と暴言を振るわれても、謝るのはいつもまあちゃんの方で、ビクビクと事なかれ主義でやってきたが、いのりとミキと友達になってからイジメが問題として取り上げられ、イジメは止んだ。
しかし、イジメが消えただけで満足できなかったまあちゃんは二人に感謝できず、惨めになっただけだと逆恨みした。
そこで大事件を起こしたサラに共感し、崇拝し、危険な考えを芽生えさせ始めた。
久しぶりに外に出たまあちゃんは手始めに、偶然見かけた弱い存在を手にかけ、小田嶋紗良の後に続く勢いをつけてしまうのだった…

感想
無敵の人2巻でした。
面白度☆8 悲惨度☆9
2巻では、まあちゃんがどんどん闇に落ちていき、決着がつくまで収録されています。
いのりも絡まないわけにはいかない無敵の人認定されたまあちゃん事件は、まあまあの悲惨さでした。
https://www.kuroneko0920.com/archives/69386



































