112話
この世界の秘密を知っているかも知れない仁科を起こすため、彼は先に地下ハイテク空間へ向かった。
先に彼を行かせたカヅチたちは、ガーディアンだけで密談をしなければならなかった。
嫉妬深い神が目覚めれば人が滅ぶと伝えられ、長く封印の眠りを守ってきたサンドリオの住人達。
しかし、嫉妬深い神を殺せば20歳で死ぬ崩月の呪いが解ける。
すなわち、この世界の住人にとって最善なのは、彼に封印を解いてもらった直後、嫉妬深い神が目を覚ます前に始末することだった。
例え神が彼の幼馴染みであろうと、何が起こるか誰にも分からないのだから、未知の危険は最速で排除するのが一番。
彼女たちは彼の気持ちより、世界の住人を優先することで意思を統一した。

そして全員揃ったところで、彼は手に入れたカードキーをリーダーに挿しこんだ。
ウィイイイと読み取り音が聴こえて程なく、英語表記で案内が表示された。
ウェルカムに続いてパスワード入力画面に移ると、バニーユから数字が羅列されたメモ紙を受け取り、その通りに入力していく。
するとメニュー表に移り、そこまで英語を理解していない彼は、唯一封印解除できるっぽい、アンロックのメニューを選んだ。

すると注意書きがつらつらと表示されたが、やはり英語は大して得意ではない彼は何が書いてあるか正確に分からず、でも後戻りする意味はないと覚悟を決めた。
選択肢は、アグリーとキャンセル。
同意か取り消しか。
これが最後の選択だと察した彼は、仁科に訊きたいことを改めて整理しながら、一緒に病院から落ちた幼馴染みの寝顔を見つめた。

そして彼と反対側で見守っているアマネは、重大任務を前にしてしっかり刀を握りしめていた。
緊張感に包まれ、固唾を飲んで見守るガーディアンズ。
彼が同意をタップした直後、仁科を包んでいたバリアが解除された。
本当に結界が消えたことに驚きを隠せないカヅチは一瞬固まったが、すぐにアマネに声をかけた。
と同時にアマネは刀を抜き、彼を驚かせた。

よもや打ち損じることは許されず、カヅチは彼が何か抵抗する冷静さを持てぬように、嫉妬深い神を殺せば呪いが解けるが、完全に目覚めてしまっては人が滅ぶと捲し立て、彼の説得を全否定した。
そしてアマネは容赦なく、嫉妬深い神と思われる仁科の首を刎ね飛ばしたのだった。

感想
パラレルパラダイス110話111話112話でした。
交尾するのは既定路線として、これだけ意思が強いナクタが彼に惚れるのか、非臣民になった国母への忠誠を翻すのかが重要でしょうね。
それと、リリアたちにも何か起こりそうな気配がありますが、果たして仁科はこれで退場とは思えないので、また彼みたいに復活しそうですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/67855


































