22話
翌日、ユメノはぐっすり眠っている彼をキスで起こしてあげた。
時間はもう昼、昨夜の久しぶりの激しいまぐわいのせいか、ユメノの肌はまだ汗ばんでいた。

彼は怒涛の展開が続いた数日のせいか、昨夜の記憶が曖昧だった。
ユメノによれば布団に入るなり、彼女の素の匂いを嗅ぎ倒し、それごとしっかり堪能したらしい。

というのは嘘で、すぐ眠ってしまったらしかった。
そうこうしているうちに大道が来て、調達したトバシの携帯を持って来てくれたのはいいが、彼がこの部屋に泊まったにも気に入らないらしく、組長の伝言を伝えると、無罪を証明できなかったら直々に殺してやると宣告し、額同士を打ちつけた。
しかし、ユメノが止めに入ると十分な殺意を示していた数値が瞬時に上昇し、ガチ惚れしているほどの好意を示した。
つまり大道は組長の娘として案じているだけでなく、女性としてユメノを見て、愛しているレベルで好きなのだ。
共感した彼は思わず笑みが零れ、二つの殺人の無実を必ず証明し、真犯人を突き止めると宣言し返すと、ユメノに嫌われない言葉遣いをそっと教えてやった。

その夜、彼は軽く変装して連絡を取ったるるなと落ち合った。
ひと気のない橋の下にやって来たるるながサングラスを外すと、いよいよ彼に対する現時点での数値が示された。
るるなの数値は30を切っていて、好意と呼べる値を完全に下回っていた。
何とか動揺を抑え込んだ彼が用件を訊くと、るるなは単刀直入に、殺しまではしてなくても事件に関わっていますよね?と確信を持って問いかけた。
まさかの切り出しに彼が戸惑うとまた数値を下げ、恋は盲目状態に陥っていたのが分かったと言い、落ち着いて考えてみると、赤澤と事件に関する話をするために呼び出させただけじゃなく、元からずっと利用するためだけに近づいたんだろうと指摘した。

彼は利用の部分は否定しつつも、学祭ライブは事件解明のためにセッティングしたことを認め、その上で犯人ではないと弁明した。
それはそれで相談されなかったことでるるなは辛さを感じ、無関係なのに悪意に晒されてアイドルとして終わったことを責めた。
それには彼も、謝るしかできなかった。

その時、見回りの警官が近づいてきた。
するとるるなは駆け寄り、飼い猫の写真を見せて探すのを手伝って欲しいと頼み、うまく追っ払った。
幸せな時間は嘘じゃなかったことへの、るるななりの恩返しだった。

その健気さに覚悟を決めた彼は、吐いてきた嘘を全部白状することにした。



































