
新世界より3巻ネタバレ感想
夏季キャンプから数日。
記憶を改竄され瞬の存在は誰も思い出せないでいた。
そして、偽りの平穏が続いていく。
第9話 偽りの記憶
夏季キャンプが終われば、次は夏祭りが控えていた。瞬の代わりに置き換えられた良。早希の中での淡い恋の思い出はそのままだった。ただ、相手が瞬から良に代わっていることだけを除けば・・・
良と二人、仲睦まじく下校する。大好きな人と一緒にいるはずなのに、どこか違和感が拭えない。もしかして幸せすぎて逆に不安になっているのかと錯覚した早希は、照れながらキスしようと言ってみる。断られるはずもなく唇が近づいて来た。だが、触れる寸前で無意識に拒否してしまう。
良は傷ついた様子を見せずに頬にキスで我慢してくれたが、それさえも違和感と嫌悪感が込み上げてきた。

良と行くつもりだった夏祭りだが、もやもやしたまま二人きりになりたくなくて、真理亜と楽しむことに。
屈託なく喜んでくれる真理亜の笑顔を見れて、少しだけ嫌な気持ちが無くなっていくような気がした。
早希に元気がないのに気付いた真理亜は、身体のスキンシップで慰めようとしてきた。

真理亜の愛撫には逆らえず、秘密の隠れ家で柔らかい姿態を重ねていく。これが最後の蜜月の時だとは知る由もなく、夏の夜に愛し合う二人。
祭りの非日常感が本当の記憶を刺激したのか、真理亜は麗子の存在を思い出しかけていた。
賑やかな祭りの最中に守から告白されるが、嫌いじゃないけど一番好きなのは早希だし、友達の呪力特訓の時も守には秘密が守れないと思って仲間に入れなかったんだよと断る。
その自然と出た言葉に、誰の為に呪力特訓したんだっけ?と、頭の中の不自然な靄に疑問を感じ始める。
覚は最近、良の呪力の成績を遥かに追い抜いていた。この親友には勝てない、でもずっと隣で競っていたいと思える尊敬できる相手だった。
でも、今はそんな気持ちが全く起こらない。そうして覚は、記憶の違和感に気付いていく。
呪力で作られた光り輝く花火を見た早希は、隣にいるはずの瞬と麗子の幻影を見た気がした。そして本当の記憶を思い出した。
そして、瞬が最後に教えてくれた「ミノシロモドキ」を探すため、4人は八丁標の外へ踏み出した。

第10話 ミノシロモドキ
祭りの片づけが終わる夜までは、大人に気付かれることはない。
森の中を進んでいくと、一匹のバケネズミが何かを探しているようにうろついていた。もしかしたら自分達を探しているのかと思い、すぐにその場を離れた。
息を切らしながら走り続けていると、運よくミノシロモドキに出会った。
呪力で捕らえようとした瞬間、触手から放たれた光を浴びてしまい、身体の自由を奪われる。
だが、ミノシロモドキが姿を消すとまた動けるようになった。次はすぐに先に触手を引き抜いて、抵抗できないようにしていく。
すると「破壊行為をやめて下さい」と、どこからか女性の声が聞こえてきた。
その声はミノシロモドキから発せられており、続けて「私は国立国会図書館つくば館です」と名乗った。

地面に下ろし、お前は何なんだ?と問うと、想像を遥かに超えた答えが返ってきた。
つまり、ミノシロモドキは情報が詰め込まれた端末で、質問の答えを膨大なデータから回答してくれる高度な科学技術の結晶だったのだ。
早希は訊く。業魔とは?悪鬼とは何か?
ミノシロモドキの回答は、悪鬼がただの御伽噺ではないことを理解させるには十分だった。

続けて早希は訊いた。呪力とは何か?と。その答えが早希の中では、ある程度想像の範囲内だったのかさほど驚くことはなかった。

早希は更に質問を続ける。
先史文明はどうして滅びたのか?
その質問は、真理亜に恐怖を抱かせるきっかけになった。答えは明らかだ。
呪力に目覚めた0.3%の自分達の祖先が、他の99.7%の人類を駆逐したに違いなかった。そんな血塗られた歴史を知るべきではないと真理亜は思ったのだ。
だがその質問の答えは映像で示された。
滅亡のきっかけは2012年の日本で起こった。人類史上、最も栄華を誇っていたこの時代、あるテレビ番組が発端になり、人類は滅亡の道を突き進んでいったのだった。
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