176話
母親が犯人として正体を現した彼は、受け入れがたい真実に現実逃避したくなるが、空中停止させられている中で静かに現実を理解した。
稀代のテロリストの渚は自分が何よりも正義だとばかりにらぎ姉を悪い子と認定し、軽く手に噛みついた。
息子の心からの疑問の声など一切無視し、空中停止を解除。
濁流に落ち行く二人に朗らかに手を振り、余命を宣告したのだった。

凄まじい濁流の中、彼はらぎ姉を守るように抱きしめ、どうして母がこんなことをしでかしたのかの疑問に苛まれた。
そして轟を引き受けた神城は巧みに攻撃を躱している間に、粉砕された腕に変化が起き始めていた。

驚愕の真実を知る者は僅か。
渚を神と崇めるエリックはほくそ笑み、山田と関は山形方面に車を走らせ、磯波姉妹は山の中を突き進んでいく。
そしていち早く逃がされた紗月は、ついに山形の地を踏んでいた。

濁流に流された3人は水門の辺りに引っかかり、何とか生きていた。
彼が先に引っかかっていたながみんも一緒に担ぎ上げて道路に這い上がると、彼女は咳き込んでやっと生きている反応を示した。
しかし彼の絶望は半端なく、黒幕の母親に感染させられたらぎ姉がピクリともしないので名前を連呼し、嘆いた。

その絶叫でらぎ姉を意識を取り戻して咳き込んだので、彼はホッと胸を撫でおろしたかったが、まともじゃない咳き込みと青ざめた彼女の表情にまた絶望が募る。
それでも素早く地下研究所に行き、香里が作った特効薬なら保菌者段階を無効化できると思い、近くの車を拝借して乗り込むと、飛ばして研究所に急いだ。
すると大学がある辺りの山から、ただ事じゃない量の土煙が巻き上がっているのが見えた。
彼は二人を車に残して、一旦一人で様子を見に走った。
程なく、アスファルトの地面が大地震でも起きた後のようにボコボコの亀裂だらけになっている辺りに出て、衝撃の光景が視界に飛び込んだ。
地下研究所があるはずの大学が消え、まるで蟻地獄の巣のように地面が陥没していた。
その中心には先回りした渚がいて、息子を手招きしていた。

感想
インフェクション174話175話176話でした。
さあ、Mが素直にイニシャルを示すのか、少し捻っているのか。
ずっと怪しい人物はいますが、その通りか楽しみだと思っていたら、何の捻りもなく母親でした。
ここから、どう終息させるのか楽しみで仕方ないですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/70284
































