巻き込まれる濡羽綾女
一投目からさっそく当たりになる鳳だが、小さな数字を気にもせず、首に回った紐のたわみを確認し、そこそこの遊びがあることを見抜いた。
おそらく20㎝。
つまり、ビンゴになっても20㎝と足を伸ばした分は首が絞まらずに済むはず。
ボールはギャルたちが引いていき、二人はただ数字があれば穴を開けていくだけだが、鳳はチェンジの使いどころで生きるか死ぬかが決まると考えた。
着々と両者に辺りが出る中、鳳はビンゴになっても負けが確定しなかった場合はどうなるか訊いた。
その場合、点数もカードもリセットされず、またビンゴになって更に吊り上げられる可能性もある。

心中で罵った鳳は、ならば開いた数字の合計よりもどれだけ穴が開いているかが重要だと考えた。
妄も殺意を秘めた鳳の眼差しに興奮し、期待を抱きながら数字を聞いていく。
そしてキリのいい10が読み上げられると、鳳が先にリーチになった。

11が出たら、吊りビンゴ決定。
ビンゴになってからはもちろんチェンジを使えず、究極の選択を迫られた。
しかし冷静に分析した鳳はチェンジを使わず、ロープのたわみとリーチ列の合計数字を考えればビンゴになっても首は絞まらない、それでは妄は殺せないと判断した。
揺るぎない殺意に最高に嬉しくなった妄。

さあ殺してくれと喚き散らしてより鳳の殺意を膨れ上がらせ、次の数字はどちらも外れ。
これで冷静さを保っていれば必ず妄を殺せると確信した鳳だったが、一人のギャルの言葉で自分の自信に何の根拠もないことに不安を覚えた。
自分は本当に死なないのか?
チェンジを使えば必勝になるのか?
ロープの遊びは本当に20㎝もあるのか?

一気に自信が揺らいだ鳳は、次に大きな数字で二人ともが当たった瞬間、反射的にチェンジを使っていた。
これで妄はダブルリーチ、鳳はリーチ一つのカードを持つことになった。
予定が狂った鳳は焦り、両者に死が迫った妄は愉悦の笑みを漏らす。
そして淡々と次の数字が引かれ、ギャンブルの神は妄にビンゴを与えたのだった。
焦った鳳の咄嗟の判断で、妄が望み通りに吊られることになった。
妄は委員のギャルたちに容赦なく、約30㎝セットされてロープを引き上げられた。
5分耐えれば次に移行するが、即行で苦しみ出した妄はじたばたもがき、白目を剥いてゆらゆら揺れ始めたのだった。

妄を殺せたことに鳳は勝利の雄叫びを上げるが、残り数秒のところで妄の爪先が地面に着いているように見えた。
直後、ロープを下ろされた妄は嗚咽しながらも恍惚の表情を見せ、素晴らしい体験をさせてくれた鳳を讃えた。
一転、次に吊られるかも知れなくなった鳳は無様な姿を晒し、死にたくないと懇願し始めた。
圧倒的恐怖に陥った、往生際の悪い鳳。
失望した妄。
なけなしのプライドを取り戻すため、綾女に憎しみを向けた鳳。
売春リストを失い、稼ぎ種を失い、全てを失ったのは綾女のせい。
他人からは奪うが、他人から奪われる覚悟のなかった鳳は自ら妄を巻き込み、美化委員たちで殺し合わせるギャンブルを仕掛けた。

その結果…
感想
賭ケグルイ妄4巻にて完結です。
面白度☆7 狂い度☆8
思ったより少ない巻数でスパッと終わりましたが、ラストも女子たちの狂った顔を見れて満足できました。
妄のポテンシャルをガッツリ発揮させた綾女の本質が分かる、楽しくて恐ろしい青春学園物語でした。



































