23話ー2
アルクの祖父がエルフの里と関りがあったという衝撃の事実。
長によれば50年ほど前、近くの川べりで行き倒れている冒険者を子供が見つけたのだが、それが祖父であり、しかも発見者はまだ純情可憐で無垢だった頃のフェラリスだった。
当時の里は人間との交流があり、フェラリスは献身的に祖父の介抱をし、世話を焼き、しっかり回復するまで子供らしく可愛らしく懐いたものだった。

やがて諸国放浪中の祖父は回復すると里を発った。
別れる際、フェラリスは出発するのに罪悪感を覚えさせるほど寂しがり、悲しみ、母親にくっついて大粒の涙を零しながらも祖父を見送ったのだった。
髪に花飾りなんてつけちゃうほど可愛かったフェラリスを悲しませたのが、アルクの祖父という事実。

祖父は旅立ちの時にナーガラの貴族だと身分を明かし、お礼として今アルクが身につけているナイフを置いていったという。
なぜそれをアルクが持っているのか、いくつかある同じ型の一本なのか。
小さい頃に祖父は亡くなってしまってろくに覚えていないアルクは、冒険者をしていたことも初耳だった。
ともあれ、それ以降人間と交流を絶ったのはイルミン樹を盗んでいく不届き者が後を絶たないからで、特に里の近くのエゼンティン国は里から税を徴収しようとするほど厚かましい国民性らしい。
そこで少なからず繋がりのあるナーガラを頼ったのは分かるが、アルクは自分たちが所詮は弱小国だからだろうと自嘲した。
もちろん助力を請うのはフェラリスの説明通り、エゼンティンに対抗するためじゃなく、自分たちじゃ退治できないサラマンダーを始末してもらうため。
サラマンダーは神出鬼没に出現し、弓矢も魔法もどこ吹く風で火を吐き散らすのだそうな。
ジョアンナによれば、エルフの風や木属性攻撃では相性が悪すぎで、自分の水属性が大活躍すると自己アピール。
こうしてアルクは長直々にサラマンダー退治依頼を請けた。

巨大なイルミン樹、駆け抜ける風、舞い上がる落ち葉。
気持ちい場所に立っていたフェラリスは風に吹き上げられる不規則な動きの葉っぱを狙って矢を射り、見事に二枚同時に的に串刺した。
驚異的な一射でもすまし顔のフェラリスに声をかけたアルクがそのまま樹に近づくと、彼女は触れないようにと一言注意した。
アルクが自分の祖父を知っていたことをなぜ言わなかったのか訊ねると、フェラリスは本当に忌々しそうに引き抜いた矢を折り、子供の自分を性的な目で見ていたからだと吐き捨てた。

まさかの答えに驚いたのはジョアンナで、50年前に子供だったのだから見た目は20代かそこらでも人間換算ではもう立派なババアだった。
真実はどうあれ、アルクが祖父に代わって謝罪の意思を示すがフェラリスは受け取らず、この状況に不甲斐なさを感じていることを吐露した。
しかし大切な樹を守るためなら、人間に頼るまいとするプライドなど二の次だった。

美しいイルミン樹を前にしたアルクたちも共感し、祖父もきっと安らいだのだろうと思いを馳せた。
それで少し忌々しい思い出も明るく照らされたのか、フェラリスは50年前のように無邪気にくるりと背中を見せながら、自分が果てしなく崇高な存在であることをしつこく刷り込もうとした。

それでまたジョアンナが怒れば、相変わらずの上から目線で哀れみ挑発し返すのだった。
こうして戦いにおいてキーパーソンになりそうな二人は仲の悪いままだった。
感想
終末のハーレムファンタジア23話でした。
フェラリスの名前は擬似フェラをさせたいがためとしか思えないですね。
セリーヌの背中の武具も気になりますし、アルクの祖父も絡んでくるとなると血筋が大きな意味を持つ展開になりそうですが、祖父のロリコン説はまたフェラリスの自意識過剰な気がします。
https://www.kuroneko0920.com/archives/72315



































