120話121話
ナイフを葵に突きつけた啓太は、動けば嫁を殺すと逆に脅す側に回った。
ガモウは一気に血管を浮き立たせて静かにブチ切れるが、啓太は冷静に話を続け、従うなら嫁は返すと答えた。

目一杯に悪役面を作っていやらしく笑い、本気であることを必死にアピールしていく。
するとガモウは部下たちを下がらせ、望みを言えと交換条件に乗った。
啓太は震える手を止められないまま、命が惜しくなった人間らしいところを見せ、自分を逃がせと望んだ。

ここまでしておいて今更ながらの望みにガモウは笑いが止められないが、啓太は一先ず、この場を切り抜けられればいいと、行き当たりばったりでしか動いてないことをチラつかせる。
ガモウはその望みをあっさり受け入れて森への道を譲った。

しかし啓太は冷静に判断し、葵を離した途端に全員に襲われる危険を防ぐため、自分たちが動くからそれに合わせて離れろと指示し、二人で逃げられるポジションを取っていく。
葵が足を怪我していてまともに走れないこともアピールしつつ、ガモウが苛立つギリギリまで距離を稼いでいく。
そして自分じゃとても敵わないと卑下してみせながら、落雷を待った。
しかし何も起きず啓太は焦るが、ビジョン通りにいかなかったときのためにもう一つの作戦を考えていた。

そろそろ我慢の限界を迎えそうなガモウは、返さぬなら二人共首を刎ねるとキレかける。
葵は不安になるが、啓太は彼女の処女まで奪われる最悪の未来を回避する道を進むために考えた。

そして交換条件通り、今から葵をそっちに歩かせると切り出した。
もちろんガモウは、その後で啓太を始末する腹積もり。
啓太は送り出すフリで葵に耳打ちし、作戦を伝えた。
そして彼女に注目させている隙に、鞄から発煙筒を取り出した。

轟々と煙を出す発煙筒を投げつけ、即座に葵と共に森の方へ駆け出す。
ブチ切れたガモウが殺せとがなり立ててシマビトを差し向けた瞬間、雷が傍に落ちて轟音と眩い光に包まれた。
































