203話
久しぶりにTバックの下半身を披露したきららは、かつて信じていたものがあっという間に破壊された時のことを思い出した。

神も人間も信じすぎれば裏切られた時の衝撃に耐えられず、それは風景や日常も同じこと。
避難所の中で姉に腕枕されて寝て、新聞で知った実際に見たのは、地元に大津波が押し寄せて何もかもを流し去ってしまったこと。
ずっとそこにあると思っていたものが不意になくなったのだから、非日常で芽生えた恋で大切になった男だからって所詮は他人で、いずれ気持ちも冷めるのが当然。
そう諦観しているきららは、血の繋がった姉こそ最も大切にすべきだと感じているから、自分のためにも命と肌をさらけ出すことができた。

最早処女ではない。
あの夜にしこたま彼とヤリまくった。
野外で何度も彼の欲望を受け止めた。
神父の姿が見えず口先だけだとしても、女を武器にすることに躊躇いなどなかった。

数え切れないほど酸いも甘いも経験してきたような表情に腰が引けた兵士は、小屋の中の指揮官を呼ぼうとして振り返り、飛び出してきた神父に掌底を食らわされ、脳が揺れた。
銃を奪い取った神父は躊躇なくもう一人の兵士に発砲し、頭を吹き飛ばした。
麗が慌てて待てと叫んでも神父は無視し、気を失ったか意識が朦朧としているはずの一人の頭も吹き飛ばした。

きららが何かする前に兵士二人を瞬殺した神父は、今更聖職者らしい笑顔と言葉を咲かせ、麗の制止も咄嗟に理解できなかったのだと白々しく外国人ぶった。
ともあれ小屋にはもう一人兵士がいたので、麗はもう撃つなと忠告して彼を紹介した。
彼らは昨日隔離地域に入ってきたばかりの部隊だが早々に一人を残して全滅していた。
麗が無関係な彼らを匿ったのは、一人でどうにかしようとするばかりで見てられない妹を守られる側に置いておきたいからだった。

妹が姉を守るなんて常に心配で気が休まらないので、子連れの自分の代わりに晴輝のような頼れる存在の庇護下にいて欲しいのだ。
きららが何も言えなくなったところで姉妹喧嘩はいったん終了すると、神城は兵士への尋問を再開した。
兵士はまず、保菌者騒動が全世界に広がったこと、その解決のために結界が張られた隔離地域に侵入したが全滅したこと、目的は犯人の息子である天宮晴輝を奪取して交渉材料にするつもりなのを白状した。

そこまで口を割って、全滅の原因になった脅威が何なのか報告するため、隔離地域外への脱出の協力を仰ごうとしたその時、兵士はハル君という麗の呼び方から何かに気づいた。
そして、きららが彼が狙われていることに衝撃を受けている横で、頭を吹っ飛ばされた兵士がわずかに動いた。
感想
インフェクション201話202話203話でした。
久しぶりにきららパートになりましたが、また謎の要素が出てきてゆっくりな進行具合になりましたね。
神城がここにいるなら轟はどうなったのか、用心棒が神父だったのは完全に忘れていたキャラでした。
https://www.kuroneko0920.com/archives/76130
































