47話
謝ったのは、一緒に行けないからだった。
その答えを責めるつもりのない匠馬は、考えてくれただけでもありがたく思った。
里桜はこれが今生の別れで、もし敵同士で再会しても、気持ちは変わらないと言い切った。
だから彼もこれでさよならとは言わず、迎えに来る時まで童貞を守り抜くと伝えたのだった。

その真っすぐな目と操を立てる宣言にキュンとした里桜は、一瞬の間の後、ズボンに手をかけて勢いよく脱ぎ出した。
その躊躇の無さは、脱ぎ慣れた芸人のよう。

そして躊躇なくショーツまで脱いで下半身を丸出しにした里桜は、脱ぎたてパンティをしっかり掴んで差し出すが、さすがに恥ずかしいのか真っ赤な顔で大事な言葉を伝えた。
この温かい一枚こそ、自分の気持ちだと。

その一枚は忘れられたくない彼女の、今できるせめてものプレゼント。
その一枚を受け取るのは、彼女を決して忘れない彼の決意。
さすがに荷台に長居しすぎたのか、里桜は秋穂に声をかけられて怪しまれるが、スースーする下半身をキュッと引き締めながら、誰もいなかったと報告して脱走の手助けをするのだった。

程なくトラックが出発しなければならない時間になり、僅かに開いた扉の隙間で、愛を伝え合った二人は最後まで見つめ合った。
匠馬は犠牲になった4人の無念さに報いるためにも、脱出して終わりではないと言い聞かせるが、いざ外の世界を目にすると衝撃を越えて呆気に取られた。
まるで大地震でも起きた後のように文明が破壊されているのは、非童貞がリア獣化して暴れ回った後の荒廃した世界だった。
麗によると聖女機関の目的とは、リア獣の無害化、及びワクチン開発における非童貞になった者の始末。
更に人類の保全という名目で童貞の人権などお構いなしに子種だけ奪い取る性犯罪を業務化しているとんでもない組織で、それに反発しているのが麗も属するレジスタンスだという。

そして、これから向かうのがレジスタンスがアジトにしている場所だった。
麗曰く、アジトはシャンバラと読ませる理想郷だった。



































