208話
清々しい朝を迎えた渚は、巨神兵の如く大きくなった愛娘を見上げて宇宙一可愛いと褒め、この場所が青春を過ごした母校のあった位置なのにも嬉しくなり、少女のように一人笑った。
普通に母親として立ち働いた朝も良かったが、最後の朝がこれだけ快晴なのも悪くないと感じた。

一方、スッキリ目が覚めない朝になっていた紗月はそれもそのはず、関が激しくドアを叩く音で起こされたのだが、彼女は大変大変と大騒ぎ。
どうやら紗月も隔離地域に侵入することが大勢にバレ、それに反対する人々が押し寄せていたのだった。

その頃、山中のきららたちも無事に朝を迎えていたのだが、彼女たちもまた騒がしい朝を過ごしていた。
それもそのはず、きららは今後のことを神城に相談しようとするのだが、彼はカリオストロ侵入を試みて失敗し、重傷を負いながらもクラリスと爺さんに助けられ、意識を取り戻した後のとてつもない空腹を満たさんとバカ食いした時のルパンのように、全員分の食糧を平らげようとしていた。
保菌者を食って、寝て、食事して。
一人で食い漁ってすまんすまんと謝りながら手と口を止めない神城のお言葉に甘え、きららはして欲しいことを話そうとするが、彼は赤ん坊の食事まで手を付けるつもりだった。

今朝、それぞれが準備を整えていた。
エリックは気持ち悪く蠢き、その中で明石コウモリは静かに息を潜め、轟はピッコロの如く瞑想でもしているかのよう。
物思いに耽りながら川を眺めていた高木も、スッと決意を固めて動き出した。
それはもう、今日を逃したら明日が来ないと分かっているからか。
そして晴輝も目を覚ました。
妹の名を叫びながら飛び起きた彼は、ちゃっとおはぎみたいなものが弾けたところまで覚えていて、心配してくれる美少女3人の方を見た直後、今まで見えなかったものが見えているのに気づいた。
室内中に漂う光玉こそ、香里が提唱する情報エネルギーであり、それが見える彼は母親に対抗できる最有力馬になったのだ。

自分の変化に驚きつつも、夢の中で香里が言っていた部分を覚えていない彼が戸惑ったその時、香里におはようと声をかけられた。
しかしそこにいたのは、小鳥が持っている可愛いクマのぬいぐるみ。
魂が宿っているのか、乗り移らせているのか、これも情報エネルギーの為せる業なのか。

とにかくクマのぬいぐるみを借りて言葉を伝える香里は、これから母を越える方法を容赦なく説明すると前置いた。
































