41話
このタマロワでも、ずっと強者に従ってきたと明かした弓月。
その強者とはもちろん、殺人犯に他ならない。
弓月が殺人犯じゃなく、サキも襲撃されたのなら、消去法でもう詩織がそうなる。
熊崎をボコボコにしてリタイアに追い込んだからくりも、弓月があのゲスいチンピラたちに依頼したからだが、そのきっかけも詩織に唆され、熊崎を陥れようとした結果だった。

果たして真実なのかどうか、今は確かめる術もないが、尤もらしいストーリーは確かに真実味を帯びている。
熊崎を追い込み、詩織が殺人犯だと分かって完全服従状態になった弓月だが、サキは拘束しているだけで命に別状はないという。
それは不幸中の幸いで、人殺しにまで手を染めていたらさすがの優奈も弓月を許せる気などしなかった。

もちろん今もはらわたが煮えくっているが、性質的に気の弱い弓月が本気で殺しに来なかったことにまだ希望を感じ、詩織と話をつけに行くことにした。
一人で行くのは危険だと分かっていても、やはりお人好しな優奈は怪我をしている弓月を連れて行く気にはなれず、いざとなればリタイア宣言して運営に救出してもらえばいいと、優しさを残して暗い山道を戻った。
そして五十嵐が寝込んでいる場所に戻ってみると、詩織がいなくなっていた。

辺りを照らし、大きな声を出して呼びかけると、どこに行っていたのか詩織が暗闇から姿を見せたので、優奈は単刀直入にリタイアを促し、殺人犯を玉の輿に乗せるわけにはいかないと言い放った。
殺人犯だと言い切られた詩織はそれでものらりくらりと否定し、言うに事欠いて状況が変わったから花嫁の座を譲る訳にはいかなくなったと言い出した。
状況が変わったとは、五十嵐自身が自分を選んだからどうしようもないというものだった。

途中から二人三脚で最善の答えを出すために組んだ優奈としては、彼が一人で答えを出すのはあり得ないこと。
その通り、目を覚ました彼はもう優奈との協力関係を白状し、詩織と結婚するつもりはないと否定した。
そうなると詩織も外面を繕うのは止め、彼を脅しまくったこともあっさり暴露すると、闇が広がる目を細く開き、優奈への本気度に怒りと殺意を向けた。
つまり彼ではなく優奈を責めれば最適だと判断し、素早く人質に取って、自分との結婚にイエスを迫ったのだった。




































