戦力的に優位に立ったナーガラ軍が突撃する中、運よく激流から這い上がったのは眼鏡のナイルに、濡れてもいないアルゲス。
まさかの奇襲に天晴れと話しているところに更なる奇襲を仕掛けたのが、意地でも頭目を我が手で仕留めたいセリーヌだが、やはり邪魔するのがクソ眼鏡。

こうして前回決着がつかなかった、主に仕える騎士同士の一騎打ちが始まった。
愛するアルクに抱かれ、マハトも注入してもらったセリーヌのパワーは大幅にアップしているが、それでもナイルはまだ渡り合うことができる辺り、いけ好かない野郎でも実力は確か。
彼女の変化も恋のおかげだろうと茶化しながらやり合うゲス眼鏡と、ひたすらに切り刻んでやろうと剣を振る乙女。
手数もパワーも勝っているのはセリーヌで押しているように見えるが、ナイルも全てを冷静に受け止め、競り合いになれば言葉責めで精神攻撃を繰り出していく。

二方向からプライドをイジり倒し、メスの悦びを求めて生きろとアドバイスするのも、シンプルに怒らせて力任せな剣筋になるのを狙う、姑息な作戦。
騎士道精神など一切ないクズ眼鏡の煽りに苛立たされるセリーヌは、相手の思惑を見抜いているのかいないのか、黙れ下郎とシンプルな言葉で蔑み、競り合いから離れて呼吸を落ち着けた。
そして尻尾ではないと言ってくれたのを思い出し、注入されたマハトを燃やすとその力を剣に纏い、汚い煽りなど意味を成さないと言い返してやった。

セリーヌの流派を熟知しているつもりだったナイルは、業火を纏った剣技など初見なので焦るが、全力で向かってくるのでゆっくり考える暇もなく、とにかく自分のやり方でいくしかないと覚悟した。
炎の剛剣と、水の防御。
押し切るか受け切るかの一発勝負は、マハトの力を得たセリーヌが上回ったのだった。

剣ごと叩き切られたナイルは無様に血飛沫をあげ、激流に飲み込まれていった。
やっと忌々しいクソ眼鏡を斬れてスッキリしたセリーヌは、鬱憤を晴らすようにカッコいい葬送の言葉を激流に添えてやった。
そのままアルゲスも斬りに行きたかったのだが、マハトに頼って全力を出した反動は半端なく、膝をついた。

もちろんアルクも前線に出た。
立ちはだかるのはガースル家の亀甲部隊で随一の防御力を誇るが、魔剣を装備したアルクの攻撃力はそれを上回り、豆腐のように薙ぎ払った。
しかし、亀の主のギドゥは驚き方も鈍重。

そこまで慌てないのはギドゥには土属性の魔法だが槌だかで地面を操れるからで、部下がすっ転ぶのも構わずサンドワームみたく隆起させた。
だがアルクも巧みに対処して駆けあがり、ギドゥの禿げ頭をかち割ってやろうとした。


































