227話
戦闘が始まって晴輝たちが見えなくなると、紗月は自分が変化していることに気づいた。
それは彼に対する本当に気持ちを知ることができたからだった。
そんなことに関係なく、ながみんは非常時の雰囲気ゼロで紗月に名前を訊ねた。
その間にも、エリックから別れた脚力自慢の猿変異体がこそこそと動き回っていた。

覚醒体ではながみんに勝てないと見越し、今のうちに圧倒できる新たな覚醒体を作ろうと、まずは進化情報を集めるつもりだった。
泥は進化情報の塊、それを食い漁って反芻すれば、ながみんの薙刀を凌駕できる進化情報を造り上げ、手頃な人間に注入して新たな覚醒体を作り出す算段。
それを着実に遂行しようとする猿はただ、全く戦おうとしていないながみんを疑問に思った。
それはいきなり話しかけられた紗月も同じで、聞いていた戦闘狂の面影はどこにもない。
それもそのはず、今のながみんは戦いよりも理由の分からない胸のモヤモヤを解消したくてしょうがなく、紗月もそれが最善だと判断して向き合う覚悟をした。

教室で先輩後輩がしっとり話すみたいな穏やかさで、胸のモヤモヤの原因を訊き出そうと話を促す紗月。
薙刀の腕以外はまるで幼い少女レベルのながみんは、妹を亡くした小鳥の例から切り出した。
家族を亡くした悲しみ、同じく母を亡くしたながみんはただ、薙刀を振り回していれば悲しみを忘れられていたのだが、つい先日、母がいないことを思い出してしまい胸が苦しくなり始めたという。
小鳥がどう気持ちを切り替えたのかを聞いた紗月は、近くで隊員がふっとばされているのが見えて動揺するが、ながみんに実力を発揮してもらうのが最善と、相談に集中し続けた。
そのせいで、ふっとばされたばかりの瀕死の隊員が猿の標的にされ、欲望を刺激された。

小鳥と違ってモヤモヤが消えないながみんは、どうすればいいのかと素直に答えを求めた。
そこで紗月は自分も幼い頃に父を亡くしたことを打ち明け、それでも父の消失を埋めてくれるほどの愛を与えてくれる人がいた分、恵まれていたという。
そうして改めて考えたことで、紗月は彼に対する想いが恋慕ではなく兄妹愛のようなものだと気づき、そして涙を流した。

それはそれとして、誰かに頼らなくても薙刀があればモヤモヤを忘れられるのは幸せだと説明し、薙刀を振るえばお母さんが喜んでくれただろう時のことを思い出せとアドバイス。
それでながみんは納得して笑顔を取り戻し、亡き母のために思いっきり薙刀を振るう気持ちを取り戻し、紗月も信用した。

臨戦態勢になったながみんはさっそく覚醒体に躍りかかり、サクサクと斬り捨てていく。
その勢いで生まれたての覚醒体にも斬りかかったのだが、容易く弾かれてカウンターが振り下ろされた。

感想
インフェクション225話226話227話でした。
やっと全員終結の気配が出てきて、終わりも近いような流れな気もしますが、まだまだ理解不能な展開が待っていそうです。
「インフェクション」ネタバレ最新228話229話230話。切り裂かれてながみん敗北!かつての歴女は大コウモリに進化!



































