32話
巨大カマドウマを見たことで、やっと大迫も睦美たちの訴えが事実だったと理解した。
甲斐たちが駆けつけられたのもGPSのおかげだと分かったのも束の間、世間では既に他の場所での巨蟲との戦いが動画でアップされていたが、視聴者は端から作りものだと決めてかかり、恐ろしい現実をバカにすることで正常な日常を保とうとしていた。

災害や戦争や伝染病もどこかで起きているのにそれを認めない、リアルに感じられない正常性バイアスが働いていた。
人類を滅ぼしかねない事態になってようやく、他の島の研究室と10日も連絡が取れない意味を察した大迫は、世界の飢餓を救って称賛される未来なんて来るわけがないと悟り、尊敬される有名人から極悪人として袋叩きに遭う未来を恐れた。

研究室と連絡が取れないことも後回しにしていたイベントとは、特大のエビを神に奉納する島独自の祭りのことで、そこで巨大エビを公開し、マスコミに拡散してもらう予定になっていた。
もちろんこんな状況で人を集めるなど愚の骨頂、睦美は地獄へのカウントダウンが始まっていると告げた。
すると変わり身の早い大迫は睦美に個人的に睦美に全面協力する意思を示し、生物巨大化を止めたいスタンスを見せることで少しでも罪から逃れたい浅ましさを発揮した。

ともあれリーダーの元に向かいがてら、睦美はこれまでの二つの島の製薬会社ももぬけの殻だったと話し、浅はかに生態系をいじったことを非難すると、また大迫が敏感に反応して自分は悪くないことを訴えかける。
自己保身ばかりに走るミーハー女の声など誰もまともに取り合わないので、年長者の峰岸は善悪は表裏一体だと諭した。

そんな空気など関係なく、ジュリアはどこかで聞いたような高速道路での怪談を話し始め、定番のオチに女子二人が絶叫。
だが怪談に絶叫したわけではなく、本当に車に追いつきそうなほどの速さで迫ってくる何かが見えたのだった。
少なくともジソク60㎞で走っている車に追いつく勢いで接近してくる巨蟲。
パッと見はサンドージュほ彷彿とさせるそのフォルムの正体はガロアムシ。
聞き馴染みのないそいつは、どんな進化の可能性も秘めた祖虫と呼ばれる一種だった。

今にも恐怖の巨蟲が追いつかんばかりに迫っているのに、大迫は動画に撮って世紀の大発表にすればいいと言い出すが、どうせ作り物だと誹謗中傷されるのがオチだと言い返されてしまう。
まだ命の危機という感覚が薄い峰岸は直線に入るとアクセルをベタ踏みして引き離そうとするが、ガロアムシは世界最速を出せるんじゃないと思うほどの加速を見せ、ついに車に足を引っかけると、シンプルな力づくで猛スピードの鉄の塊を止めたのだった。

そして全身で絡みつき、おぞましく強靭そうな顎でガシガシ噛みつき出した。
車をエサと思い込んだようで、このままならそのうち車がひしゃげて乗員たちは食べられるか押し潰されるかの結末になりそうだ。
もちろん睦美は切り抜ける策を考えているが、既知のガロアムシにはない羽を持ち、湿った暗所を好むはずの生態との違いがあった。

果たして睦美の虫知識を越えた巨蟲相手に、この窮地を乗り切ることができるのか。
感想
大巨蟲列島31話32話でした。
アイドルとは言え、バカみたいに車内で歌われたら鬱陶しいですが、今回は睦美の危機を助けたヒーロー側でしたね。
巨蟲山脈とリンクシーンを見ると、ほぼ同時進行くらいに見えますね。
































