54話
専用の杖を手に入れたレッタは、郊外の荒野でどんな使い心地かを確かめることにした。
ダウジング棒みたいに二手に分かれている杖に注ぎ込むように魔力を込めて放つと、大岩をプリンのように貫く威力を発揮してくれた。

それもそのはず、グローリアによれば、今までは魔力を分散して無駄に放っていたのに対し、杖のおかげで一点集中し、少ない魔力で同じ威力を放てるようになったのだ。
訓練してコントロール力を上げれば、もっと小さく細く効果的に的確な攻撃が繰り出せるようになるはずなので、グローリアが帰ってからもレッタは居残り訓練をすることに。
その時、彼が一人になるのを待っていたのか、ワープゲートからオルガが朗らかに現れると、久しぶりの挨拶もそこそこに彼は何らかの魔法で身動きを封じられてしまうとオルガは彼に飛びついて、身長の伸び具合を確かめる感覚で魔眼をペロッとひと舐め。

あり得ない挨拶に彼が転げ回ってもお構いなく、ナーガラの新王を見に来た彼を小バカにするように、嘘か本当かレッタにとって最重要な情報を授けた。
翌日、新王のお披露目会を見ようと集まった群衆の中にいたレッタ一行。
ピーズリーは賑やかな雰囲気を楽しみ、シャオメイは人ごみに辟易する中、レッタはオルガがもたらした情報が頭から離れず、難しい顔をしていた。
一方城内では、お披露目会に向けて着々と準備が進んでおり、かつての敵は今日の友になったガースル家の親子も駆けつけ、ここらで美味しい商売を広げているユーダーと歓談していたのだが、ミウが脈絡なく泣き出した。

しかし可愛らしい瞳から涙が零れたのは、ただ乾燥から守るための生理現象で、悲しみに襲われた訳ではなく。
そうこうしているうちに今日の主役の一人、新妻のカイメイアが綺麗なドレス姿で現れ、これでもかと照れているので、普段は美人タイプから下に見られまくっているジョアンナは、このチャンスを逃さない。
まずは先制のひと笑い、そして優雅にくるくる回って丁寧な言葉でお姫様のご機嫌を窺ってやれば、男勝りな悪食がイラつく。

そうして女子同士がやり合っているともう一人の主役のアルクが現れ、衒いなくドレス姿を褒められたカイメイアは、ジジイの仇の言葉でも真っ赤になって照れてしまうのだった。
まずは聖教会にお墨付きをもらえる式典が始まり、アルクがぶつぶつと言葉と王笏と冠を授けてもらえるのも、セリーヌとジョアンナが聖骸布をかっぱらって来たおかげ。
こうして聖教会の後ろ盾を得たアルクは民衆の前に姿を見せ、大きな歓声に笑顔を返し、徐々に静まっていくのを待って話し始めた。

民衆も新たな王の言葉を待つ雰囲気を作ると、アルクは四領に分かれていた一帯が統一されたと切り出してから、カイメイアを妻に迎えることを発表。
イスティシアとナーガラに深い結びつきができたのもそうだが、元を辿ればファフニール王家の血を引く者同士の婚姻、それをもって神聖ファフニール王国の建国を宣言した。

民の支持は凄まじく、若くして新領主になり、驚異的な勢いで古き良き時代の王政まで作り上げた若王のカリスマ性はまるでスーパースターアイドルのよう。
しかしレッタだけは、オルガの情報の信憑性が高いという報告を受け、憎しみを膨れ上がらせた。
アルクとずぶずぶに繋がっている商人のユーダーがレジスタンスの情報を帝国に売り、レッタの父親は帝国騎士に疑われ、死ぬまで拷問されたのだった。
それをレッタに伝えたオルガは、アルクはユーダーの上司のようなものだと煽り、憎しみの矛先に据えさせた。
同胞であるラティの邪魔にしかならないはずなのに、レッタをアルクにぶつけようと誘導したオルガ。

果たしてアルクはレジスタンス狩りを指示したのか、そしてオルガの思惑とは…
感想
終末のハーレムファンタジア53話54話でした。
レッタ一行と会う前に子作りなんて、これは泣き虫娘とも交わると思っていいのでしょうか。
「終末のハーレムファンタジア」55話56話ネタバレ最新話修正前57話。仮面夫婦を狙った覚悟を持った暗殺者!



































