217話
姉の遥香をメデューサと決めつけ、冬雪に全ての事情を暴露して説得にかかった美依那。
元同業者として冬雪の才能を途切れさせたくない思いがそうさせたのだが、当の本人はクールなままで自分がたまに見る記憶の出所を理解し、腑に落ちたという。
そして姉ではなく自分が殺したのだと打ち明け返した。

メデューサは女に限ると経験上で知っていた美依那は驚くが、冬雪は殺人鬼の人格を刷り込まれて人まで殺したというのに、それは女形として女性になり切ろうとしてきた賜物だろうと、喜びさえ見出す始末。
昼夜で役柄も変わる大衆演劇、様々な人間を演じてきた成果、即ち芸の極致。
演劇バカ過ぎて罪悪感などなく、完璧におぞましき殺人鬼を取り込んでいる冬雪は、美依那の悲しみなど構わずに悪魔の声を囁いた。
すると美依那は言われた通りに息苦しさを感じ、ただ囁かれるだけで意識まで失ってしまう。

同じ劇団員の仲間を殺したほどの冬雪だから、出会ったばかりの美依那を殺すなど大したことではなく、意識がない彼女に今までの殺人数を明かし、そして4人目だと宣告したのだった。
舞台裏で目を覚ました美依那の目の前には、これまでに殺された3人が着物を着せられてセッティングされていた。
見た目には生気がないだけで生前と変わらず、死後一年経っている仲間を可愛い娘だったと説明し、他の二人も贔屓にしてくれた娘たちだったと、コレクション感覚で暴露していく。
美依那の衣装も用意されており、心では嫌悪と拒否を示しても、どうしても丁寧な口調の言葉には逆らえず、美依那がロボットのように逆らえないのは、冬雪の役者としての実力とモデル殺人鬼の能力を合わせた催眠術のせいだった。

旧ソ連時代の殺人鬼、アナトリー・スリコフは数十人もの少年に言葉巧みに首を吊らせ、7人もを死に至らしめた。
幼少期からイカレタ人生を送っていた訳ではなく、大人になってから酷い交通事故で少年の死体を目撃し、それが歪んだ性癖が爆発するきっかけになった。
そしてスリコフを好みの少年を集め、信頼のおける大人を演じて次々に首を吊らせ、7人の命を奪い、遺体を弄んだ。
そんな異常者を宿している冬雪の言葉に逆らえない美依那は、あれよあれよと裸に剥かれて自ら̪死装束に身を包んでいく。

そして冬雪の場合は、幼少期に出会った特別なお客さんの死を目撃したことで、メデューサになる素地が出来上がっていた。
死は懐かしく美しいものだと冬雪の中で解釈されたことが分かると、美依那は久しぶりに妖艶な着物を着終え、準備が整った。
ぶら下がった輪っかと足場、そこに冬雪の死の誘い文句が加われば、美依那に抗うことなどできない。

感想
サタノファニ215話216話217話でした。
羽黒メデューサ達の殺戮モードは久しぶりで見応えありましたが、まさかの不発でも展開的に面白そうです。































