悟の精子
結局、激しい殺し合いは双方に多くの犠牲を出し、悟は連れて行くには重すぎるとして放置され、代わりに章一郎が攫われてしまった。
悟こそ助けられたものの、なんだかんだ女同士なら話し合いで決着できると甘い理想を描いていた由奈は自分の甘さを思い知る結果になった。
そしてケダモノじゃない章一郎に薬を打ってワクチンが脳で培養されると信じ、それを実行した彼女らは、直後に訳の分からないまま肉片に変えられてしまった。

章一郎は確かに理性を十分に保てているが、全くフレアの影響を受けていない訳ではなく、その肉体では薬に侵され特異体に変貌してしまうのだ。
しかし以前の時と同じく、特異体章一郎でも由奈には襲いかかりはしなかった。
やはり彼女こそ世界救済において最優先すべきキーパーソンかと思われたその時、意識を取り戻した悟が駆けつけて特異体章一郎の手を斬り落とした。

そして由奈は、特異体になった章一郎でも命は命だと存命を頼み、この場にいるのは悟に由奈にナミと特異体だけになり、戦闘の混乱で逃げた牧野と沙夜の行方は分からなかった。
みんなが殺されたと思った牧野が戻ろうとはせず、おまけに怪我を負っているので亜里洲は手当てのために近くの建物の中に。
しかし薬を探しに行こうとすると牧野が抱きついて生乳の温もりに甘えてくるものだから、動こうにも動けなかった。

沙夜の告白は自分でも分からない感情と、許されざるべき衝撃の事実。
どこまでも自己中で非情な牧野の告白を一方的に聞かされた沙夜は、責めたくてもスヤスヤ眠られてしまって、また主導権を握れない。
そして自分もいつの間にか眠って不思議な夢から覚めた直後、好き放題してきた牧野が最期まで自分勝手に楽になっている姿を見せつけられるのだった。

牧野を葬った沙夜は一人で残された不安の中、自衛隊のヘリがケダモノを薙ぎ払って着陸しようとしているのを目撃した。
メガフレアが地球を覆い尽くす直前の数カ月前、ある女性隊員部隊が特殊な任務を指示されていた。
それをこれから実行しようという時にフレアで基地内も大混乱に陥り、かつての仲間を泣く泣く始末して生き永らえ、落ち着いた頃合いで彼女たちは当初の任務がメガフレアに関係があると睨み、行動を開始したのだった。
そして件のミッション地で待ち受けていたのは、防衛研究所の西条と名乗る女だった。

キーポイントに近づくにつれ、蘇っていくナミの記憶。
同僚であり研究者だった五十嵐の真の正体。
実は転生前の記憶を有していた由奈。
由奈を殺した性犯罪者全てを憎んだ悟と、男女の性差を憎んだ悟。

このフレアで壊された世界を救う手段は、男をケダモノにするのと違うベクトルでとんでもないものだった…
感想
去勢転生5巻でした。
面白度☆7 畳みかけ度☆8
次が最終巻とあって、一気に脇を固めるキャラが次々と退場していったのは、あまりにあっさりし過ぎてまさに使い捨て感を覚えました。



































