パンモロキャットファイト
諦観とも言える享受を答えを返された涼太は、お望み通りに馬乗りになって首に手をかけた。
その殺意は、一人誰かの何者かになれた嫉妬の凶行。

しかし涼太は止めを刺さず、気を失っただけで目を覚ました早苗は、また一人の生活に戻る絶望を味合わされるのだと書置きで理解した。
孤独を恐れる早苗は急いで笠井家に走り、途中で嫉妬と憎しみに満ちたリカと鉢合わせると、いきなり引っ叩かれ、頭突きを食らわされ、マウントポジションでボコボコにされ始めた。

涼太を奪い、SNSでも嘘を書いたと思い込むメンヘラ他人母。
早苗は冷静に涼太の心の闇をやっと理解して、話し合いたい気持ちなのに、馬乗り女がそれを許さない。
そして自分の息子を追い込んだ張本人だと分からないまま、異常な執着心で母としてのアイデンティティを悪魔の子に委ねてしまう。

自分の価値を誰かに他人に世間に委ね、勝手に絶望して死を受け入れるか、母という役割に執着する姿はまさに、昨夜までの早苗と同じ。
そう気づいた早苗はならば、リカに涼太は渡せないと思い直し、反撃の後頭部をぶち込んだ。
通りかかった運転手がいきなり熟れ頃女のパンモロキャットファイトを見せられるが、リカが刃物を取り出したのは背中越しで見えない。

繁みに潜んでいた涼太は、早苗の鬼子母神の如き憤怒を見た。
そして今にも凶刃が皮膚を突き破るかに見えたその時、涼太が選ぶことで仲裁に入った。
ガキらしからぬ圧で運転手をさっさと行かせると、改めていつもの貼り付けただけの笑顔と言葉を繰り出し、リカを母親として持ち上げて承認欲求を満たさせていく。

早苗を助けるためか、やはりリカに至高を感じたのか、とにかく笠井リカを選んだ涼太はきっぱり元母を拒絶するが、しばかれようが足蹴にされようが、早苗は諦めようとしない。
それは自分が選ばれなくても、リカでは孤独は埋められないとはっきり分かったから。
それは涼太も理解していることだったし、拗らせたガキらしく、自分がぼっちだとか孤独だとか納得するのが何より許容したくないことだった。
そうしたのは、実の子供でさえ道端に捨てた母親という存在なのだから。

孤独に戻った早苗はやっと仕方なく歪んで本音を吐き出した不憫な悪魔の子が、帰ってこれる存在でいるつもりだった。
感想
マザーパラサイト9巻でした。
徐々に涼太に情状酌量の要素が増えているような気がしますが、凶悪犯罪には持ち込んでほしくないですね。
加害者優遇で法治ではなく人治国家の面もある日本らしい、お涙頂戴は避けて欲しいですね。



































