クチサケサマ
今は訳の分からない事態に怯えるいつもの静香だが、間もなく日没。
クチサケサマというワードを繰り出しながら、確かに日が隠れていくに従って顔が侵蝕されていき、昨夜の化け物に変貌していく。

そして正気が薄れながら静香は父兄からの暴力を暴露し、クローゼットに押し込めた二人の惨殺体を披露した。
身体の内側から食い破られたような恐ろしい状態で、静香はもう人肉食モンスター100%に向かっていくが、正義感と友情の塊の樹は逃げず、目を逸らさず、恐怖心に打ち勝って助かる道を探そうと励ます。
クチサケサマ、祟り。
静香が自然と繰り出すそのワードから解決策を見出すしかないが、確実に正気が消えていくのが分かる本人は絶望の淵に立っていた。

自分を見捨てないでくれる好きな人に対してギリギリ正気を保ったのか、静香は超音波のような叫びで彼を気絶させるとどこかに消えたのだった。
まさかと思って家に戻った樹は血まみれの繭結に駆け寄るが、よく見るとシャツに血が塗りたくれているだけで怪我した様子はない。
静香がやったのか?
その意味は?なぜ襲わなかったのか?
するとあの夜と同じように繭結が怯える反応を見せるので、今度こそ離れまいと誓い、静香の家にみんなを呼んでその目で見てもらうことにした。

彼氏の槇原が取り乱す中、警察に通報するより先に本人から詳しいことを訊くべく、静香のスマホから彼女の呟きを辿っていく。
すると化け物になっていく苦悩、父兄からの暴力、槇原への不満と別れたい本音、そして樹への恋心が綴られていた。
偉そうに彼女を支配しようとした槇原が疎まれて当然、道化になった屈辱。
それでも地図アプリの履歴で日没時の静香が霊山に踏み込んでいたのが分かり、探しに行くことにした。
入山禁止の霊山、祝詞山。
入ってすぐ異常な数のラジオ塔がお出迎えしてくれる不気味さと、それにも勝る何かの気配、落ちている槇原がプレゼントした数珠ブレスレット。

ラジオ塔の墓場を進んでいくと、やがて現れた如何にも曰く付きの雰囲気を漂わせる洞窟。
奥に静香が佇んでいるように見えたが、いたのはクチサケサマの名にぴったりなド級モンスターだった。

一行は脱兎のごとく逃げたかったが、元おデブちゃんで今は痩せてスッキリ漫画描きになった謙介がゆく手を阻んだ。
祟り側の正体表せりかと思ったが、よくよく見るとクチサケモンスターは石像で、謙介は少し前に偶然、静香の顔の異常を見て苦悩を打ち明けられていたという。
この石像のことを知っていたのも、中学時代のおデブちゃんの時、しれっと踏み込んでこの洞窟に行きついてびっくり仰天し、独自に祝詞山の伝承を調べ、善にも悪にもなる可能性があるノリトサマの昔話を知った。
果たして時代錯誤な昔話の祟りにより、静香は化け物になってしまったのか。
唯一、島外から戻ってきた樹はみんながまだ祟られていないのを確信するため、マスクを外してもらいたいと促すが、それは謙介のある説明によって拒否されてしまう。

そして洞窟の奥から現れた、クチサケババア。
何人分かも分からない惨殺体と、これだけの行方不明者でも騒ぎにならない島の異常さ。
祟られてイカれてしまったのか、島民がそもそもおかしいのか…

































