サナトリウム
その夜、静香捜索の集合場所に謙介が現れず、先んじて位置情報アプリを共有していたリリが調べると、彼はまだ学校にいるようだった。
スマホを忘れたのか、トラブルに巻き込まれたのか。
樹と槇原で島南まで見に行くことにすると、島南の町を通ったことで、北川に比べてもコロナへの怯え方が異常で外灯も一つもついておらず、ひと気もないのに視線だけは感じる不気味さが漂う。
すると自警団のパトロールカーが見えたので慌てて隠れたのも束の間、奴らは当たり前に猟銃を装備しているだけでなく、何がいるか人がいるか、誰がいるかも確認せずに気配を感じたところにぶっ放したのだった。

一方その頃、襲われた謙介は縛られただけで無事だった。
口裂けはサッカー部の里中という三年先輩男子で、顔が壊れ始めているもののまだ正気は保っており、時折、ロッカーに隠した生肉にかじりついて理性を保っているらしかった。
里中は兄が行方不明になったのは島のことを島外で紹介しようとしたことが原因と睨み、行方不明に対する行政の対応もあり得なかったことから、SNSで島の異常性を綴っていた。
それを謙介が見つけて里中を特定したことが分かり、拘束は解いてもらえた。
しかし里中の正気はもう崩壊寸前、謙介との会話が口裂け様以前の最後になってしまった。

謙介の悲鳴が轟いたことで自警団はそっちを見に行き、樹たちは撃ち殺されずに済んだが、これで自警団が口裂けモンスターを認識していたからこそ、躊躇なく撃ってきたと分かった。
島ぐるみでの隠蔽が明らかになっても、今は謙介のピンチを救わねばならない。
そして繭結と一緒に部屋に戻ったリリと柚子葉が恋と苦悩を話していたところ、静香が雨戸をぶち破ってきた。

命からがら走って逃げた謙介は、山中に打ち捨てられた結核患者療養施設サナトリウムに行き着いた。
まさに肝試しに最適な廃墟だが、隠れられる場所は他になく踏み込んだ謙介は、追いついてきた里中と潜んでいる野生動物か若しくは別の化け物か、挟み撃ち状態に。
そして逃げに逃げた奥で、理解が追い付かない島の闇を目の当たりにして追い込まれてしまう。

その時、樹と槇原が駆けつけた。
槇原は樹への嫉妬や逆恨みを白状しながら勇敢に立ち向かい、樹はただただ純粋な友情で身体を張った。
そして謙介は知識でアシストした結果、何とか里中を返り討ちにできたのだが、計り知れない罪悪感を覚える後味の悪い光景を見せられた。

口裂け様の温床になっている可能性が高いサナトリウム。
また消えた静香。
島ぐるみで隠された計り知れない闇。

この島に味方はいるのか、大元の原因は何なのか…
感想
ぼくらの夏が裂けていく1巻と2巻でした
絵柄の濃さ、離島、祟り、化け物、おかしい島民、奇祭、カニバリズム、伝染病、要素が盛りだくさんという意味でも濃い内容でした。
































