サイコ×パスト猟奇殺人潜入捜査9巻
ストーカー疑惑の容疑者は確かに一線を越えたストーカーだったが、星名家一家殺人の犯人は別にいた。
まさか親身になっていた刑事の男が被害者に邪な感情を抱き、拗らせ、恐ろしい犯行へと駆り立てた。
虫の知らせで警戒し続けていた五代はギリギリで姉の殺害を防いだが、犯人の正体に負けないほどの衝撃を瀬下本人から与えられた。
瀬下がおぞましい欲望を抱いたのは美少女JKの姉の瑛里ではなく、まだ幼い妹の聖良だった。

本来の聖良が清い心で刑事を頼りにしただけなのに、それを相思相愛だと思い込んだ歪み切った自己中な認知システム。
とにかく自分の都合の良いようにしか解釈しない人間が一定の権力を持つという、笑えない皮肉。

しかも刑事として正義の心も持ち合わせていないどころか、ストーカー事件をあえて泳がせて、時には自分でややこしく拡大させて、欲望を解消できるように動かしていた真性のクズ。
この夜また、新たな事件を生むことで聖良と接触できる機会を増やすためだけに、瑛里を葬ろうとしたのだった。
物音で起きた母も赤子五代を抱っこして部屋に来てしまうと、彼女は素早く外に逃げるよう娘たちを走らせるが、瀬下は抜かりなく外から閉じ切って出られないようにしていた。
警察の寮でそれをする綱渡り具合からも、異常な欲望が箍を外させている証左。
五代がしれっと電話で普通に通報しようとしても、物理的小ささの存在感を見逃さない異常性愛者は線を切って逃げ道を潰していく。

もうここまですれば警官が犯人だという証拠満載になりそうだが、瀬下は聖良に手をかけるほど形振り構わずに、少女と繋がる方法を大事件を介することだけに陥り続ける。
以前の聖良と明らかに違うことも都合よく解釈して訳の分からない解決策を見つけ出す、もう猟奇殺人者の思考になる。
五代母、姉の瑛里、赤ちゃん五代を目の前で殺し、なおかつ未解決事件にして聖良との繋がりを維持しようとする極悪非道な作戦。
そして一人目を手にかけようとしたその時、五代父が駆けつけ、悪魔に立ち向かった。

殺意100%の警官と事件解決に来た警官の覚悟の差はあったが、地力で五代父が上回った。
通常は調書等を作成しているはずの五代父が駆けつけたのは、さっき五代が電話を掛けるフリでポケベルにSOSを送ったおかげだった。
しかし瀬下は職務中、五代は非番という違いで凶悪犯はまた一線を越えた。

あわや犯罪史通りに星名家どころかここで五代父も殺されてしまうかに思われたが、彼の部下の若い警官、御子柴の助太刀によってロ〇コン凶悪犯は逮捕された。
子供相手に一方的に欲情する変態はしかし、逮捕されて社会的に死のうが本当に肉体の死を迎えない限り欲望のために繰り返すのは必至で反省などあり得ない。
ただ、可愛い部下にガチ軽蔑されたら、シンプルにそれが一番効いたようだった。

これは五代にとって初めて、誰一人犠牲を出さずに解決まで持ち込めた事件になった。
そして現代に戻る前に、もう正体を察している様子の父に未来で起きる事件を伝えて警戒してもらおうとした。
しかしそれを邪魔するように割って入ってきた人物がいた。
命の恩人、友好的な握手、目を奪われずにはいられない手の平の銃創。
五代家を惨殺した最重要容疑者の特徴と一致する男もまた、警察組織の人間だった。

まさかの男が容疑者に浮上してから現代に戻ると、飛高は忽然と姿を消していた。
瀬下が聖良まで殺した違和感を思うと、星名家皆殺しの真犯人も御子柴だった可能性。
未来では御子柴は事件を食い止めた数年後に退職しており、その時期が星名家の父、新聞記者の隆志の不審死と一致していた。
マスゴミには珍しく巨悪を暴こうとしていた星名隆志が何かを掴んだことにより、ストーカー事件を利用して星名家は皆殺しの目に遭ったのか。

ともあれ現代では行方知れずの御子柴を洗うのが先決だと考えた矢先、事件の生存者であり入れ替わった本人と再会することになったのだった。
可愛い少女だった聖良も今や五代より年上で、一徹ちゃんと呼ぶのが普通のお姉さん。
事件を契機に五代家と親交を持ち続けていたらしく、今は不審死した父の遺志を継いでジャーナリストになっていた。

そして彼女と協力して御子柴を探した結果、五代はまた厄介な人物との入れ替わりで過去に飛ばされてしまう…
感想
サイコ×パスト7巻と8巻と9巻でした。
6歳の身体でどうにかしろって無茶ぶりが過ぎますし、凶悪事件の被害者とは言え、なかなか荒い刑事に似合うボディを得られないのはまたご愛敬ですかね。
やはり警察は権力を持ってるだけのヤクザ、それは各県警の思い上がった態度で証明されてますね。



































