270話
所変わってヨータたちの隠れ家。
今日はいよいよ蒼き漆黒の夜の日、城付きガーディアンたちはついぞ戻って来なかったが、カルに後れを取るようなメンバーではないと最悪の事態は心配せず、彼とルーミの二人で挑むことにした。
7年に一度のチャンス、改めてしっかりプレッシャーをかけられた彼の緊張感は一塩、リーメアリーに豚から人に戻してやると大見得を切り、彼らは出発した。

幻想的な王城の城下町はお祭りムード一色、オリンピックやW杯より長期スパンな祭りとあって全ての屋台がキラキラと輝いている。
賑わっているのはもちろん、超短命な人生でも人々に笑顔が溢れている。
ルーミも7年前の子供時代を思い出してテンションが上がると、彼は窘めたくなるが、お祭りの高揚感を知っている者として野暮は言いっこなしだった。

7年に一度の記念日が国母を殺すか殺されるかのXデーと重なる皮肉。
心から楽しみ切れない彼をよそに、ちゃっかり屋台の定番である焼きそばをゲットして満面の笑みを見せてくれるルーミのことわざ知識はTHE日本で、やはり金城らが持ち込んだ文化が影響しているのか。

街から離れて滝を眺めながら腰を落ち着け、焼きそばを腹に落としていく。
ルーミが普通にデート気分で楽しんでいるように見えて彼は不安になるが、それは気を強く張っているだけ。
彼女が間違いなく死を覚悟しているのが分かった彼は、負けを考えていた自分を戒めた。

腹ごしらえをして、いざ国母の元へ。
もう何にも邪魔されずに玉座へと辿り着くと、彼は真っすぐ睨みつけながら殺意を剥きだした。
すると国母、高らかに笑って彼らがやって来たことをあまりに愚かだとこき下ろした。
なぜモモの証言など信じてしまったのか、まんまとこの夜に誘き出された彼らに勝機はあるのか…
































