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278話

もう一人の千歌はいつぞやに出てきた、殺人鬼を刷り込まれる前の本来の千歌だった。

 

千歌同士でしか見えない精神的な存在で、お互いに干渉できる不可思議な関係性。

 

ルーカス千歌はブチ切れて反撃を始め、オリジナルがひらりひらりと躱す様は、小夜子には一人で暴れ回っているようにしか見えない。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:サタノファニ278話

 

 

とんでもない蹴りの威力で陶器の洗面台がぶっ壊れて水浸しになりながら、言い争いも始める二人の千歌。

 

元々はオリジナルが小夜子への不満不安からルーカス千歌を呼んだのだが、愛する人を殺しかけて対話という前提も経ていない愚かさに気づいたのだ。

 

それが出来なかったのはただの乙女心。

自分が抱く好意と同等以上のモノを欲している我がまま。

 

ならばルーカスは短絡的に最大の過ちを顧みずに殺して有耶無耶にしようとした、その思考回路と行動が千歌も殺人鬼に仕立て上げた元凶。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:サタノファニ278話

 

 

小夜子までベッキーにしかけたことを突きつけても、その先に待つ消えることのない後悔を諭しても、ルーカスは怒り狂うばかり。

 

鬼気迫る大立ち回りの様子から、小夜子はオリジナルと殺人鬼が戦っているのでは、と思い至り自分と重ねてみた。

 

愛する人を次々にに手にかけてしまい、おぞましい方法で命を奪った過去。

 

その好奇心と狂気がいずれ千歌にも向けられる可能性に常に怯えながらも、桐生戦で命を賭して庇えたことは大きな成功体験だった。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:サタノファニ278話

 

 

だから小夜子は本来の千歌を応援した。

自分と同じようにルーカスに勝てると。

 

激しく説得しながらも頭はクールだった千歌に小夜子の声が届き、止めのドロップキックがルーカスにクリーンヒットした。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:サタノファニ278話

 

 

やっとぐったり大人しくなった千歌に声をかけると、無事にオリジナルの精神に戻っていた。

 

小夜子はホッと一安心して理解してくれたと思ったが、千歌は両手ビンタで分からないと返し、嫉妬したことを素直に打ち明けた。

 

小夜子は千歌との未来のため、過去を振り切るための欠かせない復讐なのは何度説明しても同じなのだが、千歌にしてみればそもそもの前提が未来を向いていなかった。

 

共に生きる未来のためなら誘って欲しかった。

 

それに桐生相手に一人で立ち向かうなんて勝機を捨てているとしか思えない無謀、いくら前向きな覚悟でも現実が見えていない。

 

嫉妬、不安、戦略。

しっかりぶつけてから強引で甘いキスをぶちかました。

サタノファニ
著者名:山田恵庸 引用元:サタノファニ278話

 

 

やっと千歌を巻き込む覚悟ができた小夜子は、一緒に復讐してもらうことにした。

 

そして数日後、桐生討伐の最終決戦に赴くのは果たして二人だけなのか…

 

 

感想

サタノファニ276話277話278話でした。

こんなところで最悪の別れなんてことはないと思いたいので、さすがに西辺りが監視していると思いたいです。

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