38話
不安は解消されないまま、翌朝も新人の今治は早目に学校に着き、職員室を掃除していた。
少し経ってから瀬戸も来て、また手伝ってくれた。
彼女は手を動かしながら、6年前の事件のことをネットで改めて調べたと言い、
「怖いですよね・・・
自分の個人情報が一方的に晒されるなんて・・・
苦しくないの?逃げ出したいと思わない?」
と訊いてきた。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
それに今治は、逃げないって決めたんです、と笑顔で答えた。
そうこうしているうちに他の教師もやって来た。
すると服巻が、例の友人が2,3日中にアプリの削除方法を解析してくれるらしいことを話し、少し空気が和んだ。
元々大して心配していない彼は、待ち受けにしている妻と娘の写真を見せて、彼氏のいない今治に結婚の素晴らしさを説き始めた。
「お互いを助け合いながら、健やかな日々を送る。独身では侘しいだけだ。
早く結婚して、子供を作った方がいい。まだ若いんだし」
そう言いながら、彼女の腕をガッチリ掴んできた。
そして井手を軽くアピールしながら、覗き込むように顔を近づけ
「家族を持てば分かるんです。一生守るべき存在の尊さをね」
と、いやらしく微笑んだ。
彼女は冷や汗を垂らしながらも、物分りのいい後輩の態度を貫いた。
朝のSHR。
生贄投票の結果発表まで後3時間。
かつての同級生たちが自慰行為やエッチな恥ずかしい行為、残虐な行為をネット世界にばらまかれたことを思い出し、何としても止めなければならないと思った。
飯島は遅刻して入ってきたにも関わらず、イヤホンをしたままふてぶてしい態度を取る。
それを今治が注意しようとすると、富隆博が「ほっときましょうよ、そんなバカ」と蔑んだ目で彼を見た。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
イヤホンをしていても聞こえたようで、飯島は富の挑発に乗って殴りかかろうとする。
胸倉を掴まれた富は、飯島にだけ聴こえるように
「俺もお前の母ちゃんにヤラせてもらおうかな」
と囁いた。
それに彼は激昂し、今治が腕を掴んで止めようとした。
しかし、振り解こうとした手が彼女の頬に当たってしまい、よろめいた彼女を見て金山にも注意され、さすがに大人しくなった。
そのタイミングで神庭が現れ、2現目に神庭は富から、今治は飯島からそれぞれ話を聞くことにした。
進路指導室で向かい合い、富とは中学校も同じみたいだけど、何かあったの?と訊ねるが、彼は何も話そうとせずに、さっさと部屋を出て行ってしまった。
著者名:江戸川エドガワ 引用元:生贄投票4巻
廊下で金山が様子を窺っていたようで、追いかけようとする今治に
「今は何を言っても無駄だよ」と諭した。
結果発表まで残り2時間。



































