間くんは選ばない
はい、両方受け入れちゃったのだ。
ちゃんと考えてから返事したかったと言われ、憧れの人にOKしてもらえたのに手放す訳にはいかないと思い、悩みながらもいきなり同日二股を開始したのである。
彼女いない暦=年齢のせいか、二股への罪悪感を持ちながらも、彼女ができた事とデートという響きに酔い痴れて、自分で決断することを放棄してしまった。
仕事中もニヤニヤが止まらないが、最初の難関はデートに何を着ていくべきか?
流行にも疎く、独自のスタイルも持っていない彼は、無難で面白みのないシンプルなギンガムチェックとデニムでいざ里見さんとの初デートへ。

彼女の服装は、いつもとそんなに変わらないようでいて、輝いて見えた。
初めて着てきたというワンピースのせいか?
仕事から完全に離れているからか?
いや、彼女だからだった。
そして、ドキドキしているのは、彼女も同じだったのだ。

もちろん、誠意のない彼の初デートは違う意味のドキドキも襲いかかってくる。
待ち合わせ直後に、鏡香から「今、何してますか?」メッセが来たのである。
しばらく放置からの、仕事関係を匂わせて今日は送ってこないでオーラを込めて送信。
取り合えず危機を脱すると、改めて里見さんと一緒にいると楽しいと思えた。
お互いの事はもう結構知っているから、会話も変に気を使わずに済むし、ふとした時に漂う香水の香りが心地よく、もう二人で旅行に行くつもりになってくれている所なんて、色々想像せずにはいられなかった。
そこに現れた里見さんの友達なる、少しチャラそうな男。
交友関係の広さとパーリーピーポーとの繋がりがあるところは、さすが里見さんと思いつつも、やはり気後れしてしまう。

その晩、彼女は久しぶりに会う友達とのご飯へ。
初デートなのに一人寂しく夕飯かと思っていたら、鏡香からあれから顔が見れなくて寂しいですとのメッセが。
いても立ってもいられず、彼は翌日のデートへ誘うのだった。
若さとあどけなさの相乗効果。
大人として男として慕ってくれている可愛さ。
年下だから少し余裕が持てる気持ち良さ。
真顔から不意に見せる笑顔と、デートの言葉に真っ赤になるところが可愛すぎて、二股の罪悪感を完全に忘れていた。




































