その悲鳴を聞きつけて幸人と輝也も二人を見つけ、4人でその恐ろしい光景を見た。
全裸の男女6人が、斧や鉈、包丁を手に殺し合っていた。
腕を落とし、胴体を真っ二つにし、頭を斧でかち割っていた。
散々殺し合い、人を捨てた最後の二人がうまい具合に相打ちになって地獄絵図の動きが止まった直後、傍で見ていたチハルが「活きよ」と言葉を発しながら、天に向かって指を上げた。
すると、肉塊になったはずの6人がたちどころに蘇り、幸人たちに襲いかかってきた。
著者名:小池ノクト 引用元:蛍火の灯る頃に
彼らは急いで家に逃げ込んで扉を閉めた。
そこで息を整えながら、常雅が排泄物を食べていたこと、チハルが死者を蘇らせて殺し合いをさせていたことから、この村が間違いなく地獄になったのだと考えた。
糞尿しか口にできない地獄の亡者。
殺生をした人間が落とされる等活地獄は、骨になるまで戦わされ、また獄卒によって蘇させられて戦いを強いられる。
つまりチハルは、その獄卒の役目を担わされている。
著者名:小池ノクト 引用元:蛍火の灯る頃に
そう結論を出している間に、あの6人は家の前でまた殺し合いを始めていた。
今後霧が範囲を広げて逃げ場が狭くなることを考慮し、6人が殺し終わった後のタイミングでチハルをこの家に連れ戻し、二度と復活させないようにして危険を排除しようと決めた。
何度も聞こえる肉を裂く音や骨を砕く音に耐えながら、全員がくたばった瞬間を見計らって外に飛び出し、チハルをシーツで包みこんだ。
そのまま家の中に連れ戻そうとした直後、シーツの中から大木のような腕が飛び出し、幸人を捕らえた。
著者名:小池ノクト 引用元:蛍火の灯る頃に
それは間違いなくチハルの腕で、彼女の顔は鬼に変わっていた。
輝也は恐怖を押し殺して殺し合いに使われていた鉈を拾って、幸人を掴んで放さない腕を叩き切った。
普通にダメージを与えられるようで、痛みに幸人を手放したと同時に腕がみるみる小さくなり、その隙を狙ってもう一度シーツを被せて家の中に押し込もうとした。
まだかろうじて鬼の力を残していたチハルの片腕は暴れ回ったが、完全に建物の中に入ると、ようやく腕も元に戻り、顔も虚ろで物言わぬ状態になった。
突然起きた問題の一つは沈静化したが、いよいよ食料が無くなろうとしていた。
最後の晩餐のしめやかな空気のせいか、彼らはなかなか言えなかった本音を口にし始める。
その時、化け物たちが雨戸を掻き毟って中に侵入しようとしている音が響きだした。
魔除けのお守りに護られているはずのなのにどうしてなのかと混乱するが、さっき、チハルが暴れた時に魔除けが壊れていて、効力を失っているようだった。
屋根が破壊され、正志は最後の力を振り絞って囮になった。
チハルも見上げるような化け物に変わってしまい、4人に牙を向く。
著者名:小池ノクト 引用元:蛍火の灯る頃に
彼らは命からがら逃げ出し、光に包まれた村の公民館を見つけて中になだれ込んだ。
そこには、魔除けのお守りが寄贈品として丁寧に展示されていたのだった。
感想
蛍火の灯る頃に3巻でした。
面白度☆8 地獄度☆9
等活地獄のなんと恐ろしいことか。おそらくチハルに乱暴狼藉を働いたこともあって、彼女が獄卒に任命されたのでしょう。
輝美が着替え中に下腹部を気にしていたのが気になりますが、もしかして身篭っているのか・・・
公民館に着いてからもまだ続きがありますし、鷹野さんも再登場するので、そこからどう展開していくのか要チェックをお勧めします。
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