37話
同年代の男子たちは目の色を変え、村の男たちは張り切った格好の澄子をからかっていた。
彼はマサシに頼んで、人気のない所に澄子を呼び出してもらった。
刀のことを切り出し、供えられている刀がそれなのか訊くが、彼女ははいともいいえとも言わずにはぐらかし、あそこは氏子以外入れないからとだけ答えた。

結局何も教えてくれず、気になるなら祭りの終わりまでいればいいと言い残して戻っていった。
その後、ヤエが声をかけてきた。
さすがに今は襲ってくるような事はなく、彼を心配して早く帰れと言ってくる。
彼は彼女に頼めば刀を取ってきてもらうだけで帰れると分かっていたが、なぜかそうせず、澄子の言葉に従う方を選んだ。
その頃には春子も起きて、姿の見えない彼を探して祭りの会場に辿り着いていた。
そして、現代社会の常識を持った幸枝に声をかけられていた。
38話
春子が相浦を探していると答えると、幸枝と妹は明らかに動揺した。
それがなぜなのか春子は分からなかったが、いい関係でないのは嫌でも分かった。
祭りの準備は着々と進められ、昼過ぎに奉納相撲が始まった。
彼も澄子を気にしながら相撲を眺め、マサシが投げ飛ばされる所を見た。
女たちは歓声を上げ、澄子も同じようにはしゃいでいた。
中にはまわしが外れてしまう者がいて、女たちの黄色い声を浴びていた。
彼は幸枝の父が来ているのを見つけ、偶然一緒に見ていた幸枝妹の影に隠れようとした。
その様子を、幸枝本人に見られていた。

39話
幸枝が彼を見つけるのと同時に春子が大声で彼を呼び、一気に注目を集めてしまった。
彼らは人気のない所に移動した。
彼は幸枝の鋭い視線に射竦められながら、今すぐ帰ろうと春子に急かされると、妹がそんな焦らずに祭りが終わるまで部屋で待ってればいいと提案する。
しかし春子は一人でいたくないしあの宿は怖いと言って譲らない。
すると幸枝が、自分の家で春子と一緒にいてあげようか?と言い出した。
幸枝の意図は読めなかったが、彼はもう澄子と和解することを諦め、妹に刀を取ってきてもらう間だけ春子を頼む事にした。

しかし拝殿では姉妹の父と数人の男たちが飲み始めていて、すぐに取りに行けそうな雰囲気ではなかった。
彼は仕方なく祭りの終わりまで待ち、妹に春子への伝言を頼んだ。
やがて祭りは終盤を迎え、男根を模した藁束が拝殿に運ばれてから、徐々に人が引いていった。
40話
彼はやっと刀を手に入れすぐに戻ろうとしたが、拝殿の奥に暗い座敷が続いているのに見とれているうち、澄子に肩を叩かれた。
彼は腕時計を見て随分春子を待たせてしまっていることに気付き、別れの挨拶を手早く済ませて行こうとした。
しかし澄子は諸々の思いや嫉妬から、彼の手を掴んで引き止めた。
振り解いて逃げようとする彼の背中にしがみついて押し倒す。
帰ろうとすると毎度毎度邪魔をしてくることについに我慢できず、彼は声を荒げる。
それを彼女は大声でかき消そうとする。

そして座敷の中に突き飛ばし、扉を閉めて鍵をかけてしまった。



































