そして凛は以前、蜜と共に悪魔が萌愛の住むマンションに入り、彼女の母親に寄生しているのを目撃していた。
親友の家が蝕まれようとしているのを知って再び殺意が湧いた。
俊と同じく、事が行われている時に萌愛が外に出されていたのを思い出した。

凛は今すぐ悪魔を排除しなければならないと思ったが、蜜は彼女を宥め、復讐心を気取られないよう殺したい相手にこそ優しく接する必要があるのだと諭した。

そして、利用できるものはうまく利用する。
萌愛の家に遊びに行かせたみーに、あの男が覚せい剤で逮捕されたことがあるんだと萌愛の母に聞こえるような声で噂話をするよう頼んでいた。
ラリって暴れて凛も殴られていたから、凛家族はあんな男を見限って正解で、あんな男に引っかかるのは寂しい証拠だと煽る。
娘の友達のためにお茶を用意していた母は、震える手を堪え、子供たちの噂話に耳をそばだてた。

萌愛はみーは言いすぎだと思ったが、母だけの為じゃなく自分にも関わってくることだと思えば心を鬼にして、母に何と関わっているのかを思い知らせ、娘を守る役目を思い出させる為、「そんな人の近くにいるのは怖い」と震える声を出して母の背中にぶつけた。
暴力で返すだけが復讐ではない。
家族を崩壊させられた罪が法で裁けなくても、してきた行為に見合った罰を与える。
そんな復讐こそ、蜜は美しいと思っていた。
そして萌愛の母は、思惑通りに悪魔の連絡先を消去してくれた。

萌愛の家を救うことに協力したみーは、彼女とも仲良くなっていた。
萌愛は母が悪魔と会うことで嬉しそうな顔をするのと、凛にも気を使って相談できずにいた。
自分に悪いところがあるから人を悪く思うものだと教育されていたのが今回は仇となったが、平和な日常ならそれは自分を戒めるいい考え方だったかも知れない。
みーの親戚にもそんな教育をされていた子供がいたが、その子は自殺してしまっていた。
見えないところに溜まっている毒の方が、家を崩壊させやすいのかも知れないとみーは思っていた。
復讐を終えた凛は、俊が死んだ場所に花を供えて報告していた。

踏切の遮断機が下り始め、電車の接近を伝える甲高い音が鳴り始めた時、蜜は背後に挙動不審な男が立っているのに気づいたが、特に気にもせず前を向いた。
男はゆっくりと近づき、良からぬ妄想を巡らせている。
蜜は真後ろに立たれ、手が近づいてくるのを感じ取って、男に見られないよう右手に得物を持った。
それに気づいた凛は咄嗟に、男に大声で挨拶していた。

それで、余計なトラブルが起こるのを未然に防いだ。
驚いた男も戸惑いながら挨拶を返したが、電車が通り過ぎても踏切を渡ることなくその場に立ち尽くしていた。
感想
復讐の未亡人22話と23話でした。
母親はいつの間にか自殺未遂をしていたようですね。描かれていないところでもストーリーが進みながら、ついに本命に復讐の牙をかけた凛。
まだ小さいながらもそれとない言葉で母を助けるところは、蜜の助言とは言え、同じ女だなあという感じですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/41412



































