そんな日だろうと関係なく母親はぶつくさとストレスのせいで小言を言ってくるし、弟は全く可愛くない。
しみったれた団地の部屋から出て建物の外で冷静になると、もし援交を寛にバラされたらどうしようという考えに至る。
その時、先輩をパイセン呼びして愚痴を吐き散らすバカの鳴海がやって来た。
援交だろうがなんだろうが鳴海にはあけすけに話していたかなえは事情を打ち明け、バカだけど優しい彼のバカさに少し心が軽くなった。

そして援交で稼いだ金を貯金箱にねじ込み、不安に襲われながらぬいぐるみを抱きしめ、眠りについたのだった。
翌朝、恐る恐る教室に入ったが、援交はバラされていないようでホッと一息。
しかし、かなえより上位ランクだと自負している一花は、寛とかなえがエッチしたのかどうか教室中に響き渡る大声で怒り交じりに問い詰めて来た。

実は昨夜、寛が一花にかなえの連絡先を教えて欲しいとメッセージを送っていたのだった。
また寛に迷惑をかけられたと思ったかなえは彼への憎悪が増し、心中で罵りながら、一花をなだめるために精神を疲弊させなければならなかった。
そして「じゃあ一花のお願い聞いてくれる?」という意味不明な理屈を断れず、寛の呼び出しに付き合わなければならなくなった。
恋のキューピッドになるよう友達とも思えない脅しをかけたが、まだ自分に興味を持ってもらえていないと気づいてない一花は、これでもかとぶりっ子アピールし笑顔を振りまき、一切好感を与えられず。

そして寛がかなえに説教を喰らわせた気まずい神社に行き、三者三様の神頼みをして解散。
帰り道もまた三者三様。
かなえは地獄のような時間に疲れきり、でも常識人の寛に謝るべきだとも思い、自己嫌悪に陥っていた。
恋する一花は頭の中がお花畑になっていたので周りがよく見えず、かなえにのろけ話でも聞かせようと踵を返していた。

そして、寛がかなえを抱きしめているところを目撃してしまうのだった。
そんなことになる数分前、かなえは他人が自分をバカにし、憎み、嘲り笑っている被害妄想がシャレにならないレベルにまで達し、路上に蹲っていた。
そこにまた寛が現れた。
彼は自分の常識を押し付けたことを謝りに来ただけだったが、彼の謝罪の言葉をかなえは被害妄想で上塗りし、勝手に精神的ダメージを喰らい、ついに嘔吐してしまったのだ。

不安定な精神を露呈させたかなえは人目も憚らずにごめんごめんを連呼し、嫌いにならないでと叫ぶ。
それで彼の女の子を守ってあげたい願望を刺激しまくり、ハグされるに至ったのである。
ゲロ塗れになるのも厭わず、金が絡まない彼の本物の優しさに触れ、かなえも好意を抱くようになった。

そして翌日、久々に幸せな気分で教室に入り、ハブられ学校生活が始まった。
真実などどうでもよく、一花とかなえを比べてポジションを保てる方を選んだクズブスたちは、一花と共にまず言葉責めを繰り出す。
その中の一番のブスは、何十匹ものゴキブリのおもちゃを机に仕込むという離れ業を繰り出し、かなえを早退に追い込んだ。

顔も性格もドブスなのはよく分かったが、何十匹もゴキのおもちゃを持っている家庭の詳細は誰も知らなかった。



































