6話
和子が喘がないままフィニッシュした夫の勝基がどこまでも自己中な性格を発揮し、ノリが悪いと不平を漏らすので、彼女はせめてもの意思表示であらためて拒否の言葉を発した事実を告げた。

妻の変化に気づきつつも性欲を抑えられない勝基は後輩たちとナンパし、失敗し、イライラを酒にぶつけて下卑た話を居酒屋で語り合う。
後輩は彼女に振られたばかりの話題を持ち出し、どうして女は不満を溜め込んでから一気にぶちまけ、一気に別れまで持ち込むのか謎だと愚痴りつつ、ラブラブだろう勝基夫婦を羨ましがった。
勝基と和子はサッカー部のエースとマネージャーという、学生時代には理想的な青春カップルとして有名だった。

勝基もその時のことを思い出して、当時は校内の色んなところでヤリまくったと自慢気に話すも、最近はよく断られるし、和子が何やら本を読み始めていると暴露した。
その後で相変わらず妻を貶して笑いを取ろうとするが、見ないようにしていた事実を後輩に突かれ、何も言えなくなってまた酒に逃げるのだった。
そのせいか、帰りの電車で高校時代のスリムな和子を思い出すも、その当時から勝基は自分が気持ち良くなることしか考えていなかった。

そんな危機感を抱いても、最寄りの駅についてから和子に電話しても通話中で繋がらないことにイライラして暴れ、夜遅い時間にも関わらず、友達の育雄に電話をかけて迎えに来させようとした。
仕方なく迎えに来てくれた友達夫婦の車に乗って家に着くなり、自分が言ったことも忘れて和子を怒鳴りつけた。
そしてテーブルに資格勉強用の本を見つけるとまた頭に血が上ってそれを蹴り飛ばし、止めようとする育雄も殴ってしまう。
それでいい加減愛想をつかした和子は怒鳴り返し、家を出た。

それから三日経っても和子が帰らないことにイライラし続けるだけの勝基は、自分がどれだけクズなのかは全く顧みずに不平不満だけを募らせ、挙句には仕事中に気を失って入院するほどの怪我を負ってしまった。
目が覚めた時には病室で、傍に和子がいた。
しかし、甲斐甲斐しくマッサージをしてくれるお礼より前に、自分の不平不満だけをつらつらと挙げ、逆に和子が謝って仲直りできる展開を予想した。
もちろんそんな展開にはならず、エッチが下手なことを突きつけられた。

10年間、一度も気持ち良くなったことがない和子は、付き合い始めた当初はそれも愛情でカバーできていたが、いつしか性欲解消だけの挿入に心が離れていった。
とは言え、たださせるがままだった自分も良くなかったと反省の色を見せる。
そして、自分も浮気したことを打ち明け、離婚を願い出たのだった。
退院日当日、和子は母校の高校に寄り、休みで誰もいないグラウンドにボールを見つけると、促されるまま、数々の溜まっていた不満をぶちまけた。
ナンパからの浮気に全部気づいていたことも伝えてから骨折している夫を煽ることで、久しぶりに女子高生らしい無邪気な笑みを零すことができた。

その後、和子たちが10年ぶりにフリーに戻った頃、結月はついに注文した大人のおもちゃを受け取っていた。



































