6話後編
カメラに映らないよう非常階段で部屋に戻った彼が待ち構えていると、予想通りにインターホンが鳴り、キョウコがやって来た。
しかし中身は身体を乗っ取ったサクラで、だから合鍵で勝手に開けるのも厭わなかった。
彼は数値を確認し、間違いなくサクラの桁違いのそれだった。
彼はマスターキーに気づくのが遅れた自分を卑下するが、そんなことより、サクラは彼が待っていたことに興奮し、本当のキョウコでは見せそうもないだらしない表情に変わった。

喜びを抑えられなくなったサクラは奪った身体をギュッとすると、息を荒げてギューしよう♡と彼に手を差しだして迎え入れようとするが、他人の身体だと言うことは忘れず、キスはダメだと釘を刺した。
彼は話を変え、なぜ強盗を繰り返すのか問い質すために、借金は口から出まかせだったと白状し、嘘を吐いたことを謝りつつも、殺人まで犯した4件目の犯罪を特に強く責めた。
人を殺してまで金を手に入れることなんて全く望んでいないと怒鳴り、本当にそんなことを望んでいると思ってヤったのか詰問した。
するとサクラは顔を青ざめさせるや大声で泣きじゃくり出し、人なんて殺していないと叫んだ。

サクラが目的のためなら手段を選ばない狂人だと思い込んでいた彼は、まさかの答えと号泣に慌て、取りあえず宥めるのを優先した。
少し落ち着いたサクラは、鼻歌を歌いながら車から金を盗んで部屋まで運んだことは認めたが、人を轢いて車を燃やしたことはまた号泣しながら完全に否定した。

その時、サクラが持ってきたのがまた金じゃなく、監視カメラのデータが入ったCDだと気づいた。
それで彼は、サクラはただ自分の発した言葉を解決する意味でしか行動していないことが改めて分かった。
借金があると言えば金を用意し、汗を流したいと言えば部屋を水浸しにし、女に手を出すなと言ってからは出さなくなった。
自分の言った通りにしか動かないと確信した彼は、4件目の事件についても信じようと思い、これ以上何かする必要はないと言い含めようとするが、感情の昂ぶりが抑えられなくなっていたサクラは挽回すると泣き叫んだ。
そして彼の話を聞かず、キョウコから抜け出したのか、フッと意識を失ったのだった。

感情に任せた反応に、サクラはまだ6歳時点のメンタルなんだと思い知ったからこそ、子供の考えで何をどう挽回するのか予想がつかない。
なおかつ、インスタを使ったり金を奪ったりと一定以上の知識と悪知恵が働くのが余計怖かった。
そして、本当に4件目だけサクラじゃないとしたら、何者かが便乗した模倣犯という可能性が高くなる。

彼の嫌な予想通り、4件の事件は一連のものとして捉えられ、ついに殺人事件にまで発展したことに対し、警察では捜査一課も加えた特別捜査チームが発足されていた。
感想
ドクザクラ4話5話6話でした。
数えるのがめんどくさいほど高い好意はつまり、相手がどう思うかも考えられないほどイカれた愛情に支配されているということですね。
つまりサクラの侵入方法は、コンシェルジュを乗っ取ったということなんでしょう。
https://www.kuroneko0920.com/archives/60415



































