鋭い刃のようなものでも生えたのか、真空刃を発生させたのか。
右足の一閃は達人の居合抜きのように家屋を切り裂いて道路に飛び出し、隊員たちの身体を上下に分断させた。
大勢が伏せるのに間に合わず、胴体や頭を真っ二つに切り裂かれてしまった。

家屋も上下に切り裂かれたが、そのまま建っていられるほどの高速。
保菌者が仕上げの捕食に道路側に飛び降りてくると、彼はらぎ姉との通信を切り、生き残った隊員たちに援護態勢に移行するよう指示した。
知能が高く、攻撃力も桁違いの相手を前にして、彼は自分一人で戦うのが最善だと判断した。

この時より少し時間を遡り、道の駅が海兵隊に囲まれる前、きららが駐車場に到着したばかりの頃。
きららは不安が広がり始めている人混みをかき分け、姉を探していた。

保菌者が倒れている建物の傍まで抜け出たその時、人混みから出てきた麗に声をかけられ、無事に再会を果たしていた。
信が泣いたおかげで轟にギリギリ助けられたと知ったきららは、勇敢な甥っ子を褒めた。

轟も姉妹の再会に笑顔を零したが、温かい時間は海兵隊の到着ですぐに打ち砕かれたのだった。































