114話
嫉妬深い神の仁科が記憶を失っていると分かり、今できることはなくなった。
また長い階段を登って生活区域に戻ったルーミは移動だけでくる相当な疲労に愚痴を零すが、カヅチはもう慣れたもので、涼しい顔でお茶を淹れ、嫉妬深い神の話題に戻した。
何も覚えておらず、普通の女子にしか見えず、ろくに身体も動かせなくてペコに食わせてもらっている嫉妬深い神。

しかし、人懐っこい少女にしか見えなかったガリアの正体を見抜けなかったルーミは、その時の悔しさを滲ませて油断大敵だと思っていた。
カヅチもそれには同意し、3千年の生き字引はさぞ老獪だろうと気を引き締め直した。

一方、幼馴染みに忘れられていた彼は一人で夜空を見上げ、途方に暮れていた。
嫉妬深い神を殺す旅に出て、仁科だと分かっても話を聞けばどうにかなると思ったが記憶喪失。
無敵に見えそうな仁科でも殺ろうと思えば殺れそうな気はするが、記憶がない普通の女の子の彼女を殺すなんて気持ち的に不可能。
彼は救済交尾に明け暮れる人生を受け入れることにした。

翌日、種馬人生を受け入れた彼は役割であるナクタへの食事運び係を忠実に全うするため、牢屋に飯を持っていった。
ナクタは彼が来ることが気に入らないが、そも他のガーディアンは一応彼女の立場が上で顔を合わせにくいんだろうと教えてあげた。
そして、皿を引き上げるから早く食えと急かした。
そんなことよりナクタは、ガリアを倒したのは本当なのか訊く。
それが本当で、嫉妬深い神を殺せば20歳で死ぬ呪いが解けること、神の封印を解くにはガリアの持つカードキーが必要だったことを彼は話した。
まさかの返答にナクタは驚き、この国の女のために命を懸けたのかとも訊ねた。
そこは彼は綺麗事を言わず、訳が分からずこの世界に来たなりに、生きる目的を設定しただけだという。
その流れで、国母はその呪い解除を良しとしない権力厨だと非難した。
もちろんナクタは否定するが、交尾済みの臣民虐殺命令をするなんて権力厨としか考えられないと反論し返した。

そんなこんなで、結局嫉妬深い神を起こすところまでいったのに、記憶を失った幼馴染みでもうできることはなく、交尾人生を送るつもりなのをぶっちゃけた。
ほぼ黙って聞いていたナクタは何を思ったか、彼の人生に彩が加わりそうな情報を教えた。
アルスレイヤという脳みそ好きな魔女が、人の記憶を司っていると。

































