50話
令嬢の叫びにより、ゴブリン共に存在がバレてしまった。
睨み合う彼と聖騎士。
すぐさま狙い打たれ来る矢の雨。
一行は陰に伏せ、彼は女神官と令嬢を守るように覆い被さり、リザードマンはその巨躯でエルフとドワーフに覆い被さって先制攻撃が止むのを待った。

大したことのなかった矢の数で無事に第一攻撃を凌いだはいいが、ここからは直接刃を交えなければならず、隠密行動は終わった。
彼は半々に二手に分かれ、自分が囮をやるというと、エルフたちは囚われの女性たちを助けにすぐ地下に舞い戻った。
彼らもすぐ動こうとするが、令嬢はまた自分の取り返しのつかない行動でパーティを危機に陥れてしまったことに苛まれていた。

醜く下卑た略奪で生きる最底辺の生き物。
それを蔑んでやりたくても笑われ、奪われ、惨めな思いにさせられ、剣も奪われた。
忌々しい傷まで刻まれた令嬢は心折れかけて無防備な姿を晒し、狙いすました矢が放たれるが、彼が何でもないように防いだ。

そして彼は自分の憎しみも乗せて励ましの言葉をかけた。
剣は取り返し、聖騎士は殺し、この巣穴も潰すと。
それは巣穴一つという意味じゃなく、存在するゴブリン全てを皆殺しにすると言い切った。
温かいベッドで目を覚ました時よりもホッとした顔を見せた令嬢。
令嬢を鼓舞した彼は必要以上に甘やかすつもりはなく、後衛を任せて責任を背負わせた。

頼まれると何もかも引き受けてしまう彼に温かい笑顔を向けた女神官は、いつものように仕方ないとは言わず、彼がそうか、とばかり答えるのを改めて指摘して微笑んだ。
そして不安に駆られる令嬢の手に手を添え、これは勝ち戦だと伝えて肩の力を抜かせた。




































