31話
嘘もありの飲み会で、いい感じに酒を流し込み始めたサキは、一人の犯罪者を探しに来た探偵だと名乗った。
そしてその犯罪者とは、北川弓月だという。
俄かには信じられない優奈が本人に真実か否か訊ねると、弓月はとんでもない過ちを犯したことがあると白状した。
五十嵐も優奈も生唾を飲み込んで待つと、弓月は恥ずかしそうに申し訳なさそうに、親友の彼氏を寝取ってしまったのだと打ち明けた。

それも今みたいに酒を飲んだ時で、酔って発情した親友の彼に迫られそのままという、ありがちな流れだったらしい。
強い意志もなければ酒にも飲まれるタイプの弓月は、特に抵抗することなくめちゃくちゃにヤリまくったようだった。

さすがに肩透かしな事実で逆に戸惑った優奈は、もっと命に関わるようなことをしでかしたんじゃないのかと切り込むが、弓月は強く激しく否定し、そもそもそんな勇気があるはずないと言い返した。
それは優奈も分かっていて、素人AV女優の弓月は瑠華にも痛みで屈服させられた確かな事実がある。
弓月が涙まで流して否定するので、サキも乗っかって優奈を責め、犯罪者といっても誰も殺人だなんて一言も言っておらず、寝取りを犯罪と呼ぼうがそれは個人の自由だという。
そもそも嘘アリの飲み会なのだから、全ての話が嘘だとしても咎められる筋合いはない。
だからサキは優奈を追い込もうと、昨日からのジャッジする側の態度を責め、五十嵐にペナルティを与えるよう求めた。
するとその時、詩織が仲裁に入って優奈の味方についた。

優奈が何か暴こうとしているのは、あくまで仲が良かった瑠華の仇討のためだと言い出したのだが、優奈の加勢に回ったようでもそう単純な立ち回りではなさそうだった。
ノーコメントが許されない優奈は熟考できないまま、一言で答えられる質問をイエスと認めるしかなく、詩織はアリバイがある自分以外の二人を瑠華をリタイアに追い込んだ犯人だと優奈は疑っているのだと、懇切丁寧に説明していった。
そうすることで二人の優奈に対する不信感、警戒心が強まり、明らかに目的が達成し辛い空気になってしまった。

優奈は下手に策を弄するよりも、素直に認めて飲み会の空気を悪くしたことを謝り、楽しく飲み会を続けさせて欲しいと頼んだ。
サキは素直に謝罪を受け入れたがただし、反省の気持ちは注がれた酒を飲むことで示して欲しいと持ちかけた。

二種類が混ぜられた一気に悪酔いしそうなチャンポン酒だが、優奈は豪快に飲み干して見せ、真っ赤な顔で心意気を示したが、サキは続けざまにもう一杯注いでから、楽しい飲み会の再開を告げた。
二時間後、優奈はトイレにリバースするのを五十嵐に介抱してもらっていた。
五十嵐は完全に作戦失敗だと思っていたが、優奈の中では至極順調に情報を仕入れられていた。
なぜなら二人も大きな矛盾を抱えたのだから、必然的に潔白の花嫁にも近づいていたのだ。




































