159話
捕えられた千歌たちは奥の院と呼ばれる部屋に連行された。
本尊が祀られているその部屋にはお香が焚かれ、その匂いに交じって血と体液の生臭さが漂っていた。
つまり儀式が行われる乱交部屋であり、元JKの千歌からここに相応しくない制服を剥ぎ取られた。

拘束されて抵抗もままならない3人はなすすべなく、欲望と妄信に塗れた手で衣服を剥ぎ取られていく。
もちろんパンツだけ残されるような儚い情けなど無く、全員が瞬く間に全裸に剥かれてしまった。
カレンだけが楽しみな表情でウットリする中、信者たちは瞬時に怒髪天を衝くような勃起状態になった。

その頃、再び九龍城に舞い戻った若本は隊長救出ではなく、任務を優先させて乱交部屋の奥の院に向かっていた。
一方女医は、洋子が楊を倒した直後に中空を見つめていた様子の意味を考えていた。
幽霊と言ってしまえば非科学的に聞こえるが、極度に共感性が上がった状態のメデューサが幽体離脱のように自身を見下ろす映像を見ていたとしても、さして不思議ではないと考えていた。
楊に止めを刺さなかったことが気がかりではあるが、ダーキニーになって日が浅い楊の自我が残っていたと分かる。
ともあれ、女医はサクサクダーキニーを返り討ちにしている状況にほくそ笑めたが、龍野はそこまで慌てていなかった。

余裕綽々の電話の向こうでも、悠々と獣を解体している真っ最中だった。
吊るし、血を抜き、内臓を取り出し、皮を剥ぎながら、ダーキニーはこの程度じゃないと語る龍野の言葉が証明されるのを楽しみにしていた。
ここまでやられたダーキニーは比較的新参者で、龍野が信頼しているのは桜川を始め、平に犬養姉妹、そして新藤玲衣だった。
そんな会話が終了したタイミングで、あやはもう諦めろと切り出し、降参を促した。
あやはメデューサとして、自分たちの経験値はダーキニーの比ではないことを自負していた。

そしてまだ淡い想いを残していたあやは、今なら見逃してやると持ちかけた。
すると龍野は甘んじて経験値の差を認めつつ、あやにいけしゃあしゃあと感謝した。
もちろんそんなものは口先だけの戯言に過ぎず、少し考える時間が欲しいと言いながら目的の部屋に誘い込んだ。
陽の光も入らない暗い部屋の電気が点くと、待ち受けていた桜川がフードを外して塞がれた右目をさらけ出した。

やはり龍野は人の心がないただのマッドサイエンティストだと思い知ったあやは、昔の呼び方で悲しみを表してから、特大ハンマーの先制攻撃を受け止めた。



































