159話
一度一線を越えたミミの勢いは凄まじかった。
元いじめっ子たちを一発目の食事に選んでからというもの、狩りという名目で部下を町の外に連れ出してはヤリ、野外で血塗れになりながら食い散らかした。
そうして身近な人間に手を出し始めた頃で、もう100人も殺していた。

次から次に身近な兵士たちが姿を消していっては疑われるのも当然、ガーディアンに引き上げてくれたグランドスールに呼び出され、行方不明者多数の件との関わりを問い詰められた。
そこでミミは、他にも知っている者がいるかどうか最初に気にするものだから、グランドスールはもう黒だと判断してブチ切れ、自分の目が節穴だった責任を取ろうとした。

そしてグランドスールは後輩に完敗して喰われてしまうのだった。
たださすがのミミも、お世話になった先輩まで手にかけてしまったことに少し心が波立った。
もう止まれないところまで喰いまくっているミミは、とにかく死にたくない一心でその後も殺し、喰い続けていった。
どうせ後数年で死ぬのだから自分の中で生きろと己に言い聞かせ、堆く屍を築いていった。
それが無駄だったと知った直後、魔女を喰ったミミはついに念願叶って魔女になり、おぞましいヒュドラ形態で彼らに襲いかかったのだった。

ヒュドラの必勝法である火燐石をロミーが持って来るまで、彼は外へ逃げたかったが、住民が巻き添えになると言われればわがままは言えない。
その時、また一つがモグモグし始めたので警戒したが、他の頭も少しずつずらしてモグモグし始めたので、モンスター形態でも時間差攻撃を思いつくほど知恵を付けてきた証拠だった。
その時、ロミーがバケツいっぱいに火燐石を持って来てくれた。

では準備が整ったところで彼はカヅチが丹精込めて打ってくれた剣を抜くが、素材が鉄なのかどうかが今更気になった。
ユーマが龍華石が元なら鉄ではないと教えてくれたので、ルーミの剣を貸してもらうことに。
そして火燐石の中に突っ込むと、今はごちゃごちゃ言うなとばかりに喚くルーミを宥め、しっかり熱していく。
そんな隙だらけの下準備をしている間もヒュドラがまだモグモグしてくれているので空気を読んでくれているのか、ともあれ間に合った彼は、熱々にした聖剣で普通に首を斬り飛ばした。
そして他の頭も含め、一同は断面を見つめて再生を待ったのだが、なぜだかモリモリ生えてくる様子がない。
そう、熱々の剣でぶった切ることで断面が焼かれ、再生を阻害したのだ。

皮肉にも、今日から魔女を始めたミミは自分についてもよく分かってない状態で事を急いたから、まさか大きな弱点を抱えているなんて思いもしなかったのだった。


































