160話
熱した剣で斬られて傷口が焼け付くだけで、ヒュドラの再生能力は簡単に防がれた。
無双だと思った矢先に一気にピンチに陥ったミミは、死にたくない一心でまたモグモグ溶解液を吐こうとするが、それより速くルーミが宙を舞い、二本一気に斬り落とした。
もちろんそれも傷口が焼けて再生できず、ミミヒュドラは恐怖した。

人を殺して喰うこと千人、それが無駄だったと分かったら魔女の脳を喰ってやっとこさ憧れの魔女になれてもう死なずに済むと思えた矢先の、殺されて死を迎える恐怖に耐えきれなくなったミミは、逃げるが勝ち戦法に切り替えるが、ドアが小さすぎて全く通れず、壁を破壊する間もなく追い詰められた。
最早ガーディアンたちは、稀代の大量殺人鬼に情けをかける考えなどない。
ユーマは同格のグランドスール仲間として暗黒面を見抜けなかった責任を感じ、せめて自分が止めを刺すことにした。

容姿を疎んじられ、理不尽にイジメられ、憎しみと悲しみと人間への絶望を強めた不憫な少女はやがて、自身の類稀な才能に気づき、暗黒面に堕ちて奢り高ぶり過ぎた。
死を恐れすぎた猫目の少女は、姉に愛されるだけでは全く満ち足りなかったのだ。
大人になった途端に死ぬのは、神が定めた運命。
姉がそう教えてくれても死にたくないミミは、長生きして自分のことを誰も知らなくなることを望んだ。
そんな一見寂しそうな世界に行きたいのは、そんな世界で今度こそ嫌われずにみんなに好かれたいからだった。
その願いを姉に話すと、魔女は死ぬことがないと教えてくれたので、魔女になって姉の分も長生きするとミミは約束した。

そして現在、誰にも好かれないままモンスターヒュドラとして討伐され、寿命より少し早くドロドロに溶けてしまうのだった。
せっかく魔女になれたのに嫌ってきた者に仕返ししたい欲求が、ミミに墓穴を掘らせた。

一方、ミミに脳を喰われた魔女サーニャは丸ごと喰われた訳ではなかったので、運良く生きていた。
脳の断食が招いた老いと油断は受け入れるとして、怪我の再生には脳を喰わなければどうにもならないらしいので、ユーマは死後の家畜の脳で我慢しろと伝えた。
そしてミミ返り討ちと旅立ち前夜を祝し、一行は豪華ご馳走で明日からの英気を養うことにした。
それは彼にとって大変ありがたいが、晩餐とくれば乱交になるのが今までのお約束だったので、様々なフレーバーが楽しめる女体ご馳走にも期待が膨らんだ。

感想
パラレルパラダイス158話159話160話でした。
最低な悪意さえ向けられなければ、無駄な犠牲が出ることもなかったのでしょうか。
https://www.kuroneko0920.com/archives/79454


































