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そして最終回へと

今こそ血の怨嗟を断ち切る最大の好機。

 

せめてましろだけは守ろうと恵介が後藤家にも銃口を向けたその時、頭に大穴が開いても尚まだ生きている白銀が両者に手をかざし、撃つなと示した。

 

まさに人並外れた生命力も驚きだが、自分を殺そうとした息子を庇い、生キルと言い切り荒ぶる男たちを宥めた。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

今まで食人鬼だったと思い知った白銀の言葉足らずな言葉を良い様に解釈すれば、我が子に血は受け継がれたのだから、死ではなく生ということか。

 

そして自分の指を喰いちぎり、腕の肉を食い破って咀嚼し始めると、村人だけ納得顔で勝手に感動に包まれていく。

 

大悟やましろが見れば、自分を喰う大男に村人たちがひれ伏す光景は、単なる狂気だった。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

 

やがて肉を裂き骨を砕く嫌な咀嚼音が聞こえなくなり、白銀がフッと動きを止めた。

 

時代錯誤な村と狂気を孕んだ親の元に生まれた赤子は、最後の最期に人になって逝った

 

弁慶もかくやの最期を見届けた恵介は、この流れに乗ってましろを救うために正直な御託を並べ始めた。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

人の子を平気で餌にしてきた奴らに対し、現当主の父の遺志に則ってこの子は生かすと。

 

だから戦って死ぬなどと簡単な道は選ばず、罪を背負って生きる道を自分の子らに見せてみろと。

 

 

一時は殺し合いかけた相手の言葉の重みか、あの人の凄まじい最期の姿のせいか、後藤家の面々は気味の悪い涙を流して妙な感動に浸っていく。

 

ともあれこれで国との全面戦争は回避されそうな気配になったが、ただ一人、村の人間にしてこの空気に酔ってない岩男という男がいた。

 

当主の恵介を第一と考えているだけに玉砕の闘志は冷めたようだが、それでも大悟だけは許せず殺すと譲らなかった。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

まるで遺伝子に刷り込まれているように、恵介を守ることが人生で最優先だと信じていた岩男は、その恵介を変えた大悟への怒りだけがどうしても消えなかった。

 

だから容赦なく顔を踏み潰そうとしたが、ギリギリで助けたのがその岩男に縊り殺されかけた宗近だった。

 

更に恵介も致し方なしと発砲してでも、岩男を止めようとした。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

損得勘定も何もない子供の頃の友情をお互いに持ち続けているからこその、相容れぬ部分。

 

そして撃たれた岩男のショックは精神も深く傷つけ、恵介という存在を記憶から消し去ってしまった。

 

 

守るべき恵介が分からなくなり、白銀の真実を知っている岩男からすればただの運が良いのか悪いのか分からない闇に生かされた赤子の一人に過ぎず、後藤家を獣に戻すためにただの亡骸を破壊してしまう。

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

 

本当は山中で野垂れ死ぬか山の民に凌辱された末に終わってもおかしくなかった銀は、供花村を提供して生かされたに過ぎなかった。

 

銀が知る限り後藤家は人など喰っていないし、祭りで子供を生贄にするのはあくまで我が子を生かすための捏造した方便に過ぎず、人殺しの罪悪感から銀自身を守る為のもの。

 

 

そんな血の気が多いだけの後藤家に取って代わった山の民の子孫たちが今、岩男に誑かされてついに白銀の死肉に貪り食らいつき、大悟とましろにも牙を剥いた…

ガンニバル
著者名:二宮正明 引用元:ガンニバル12巻

 

 

 

そしてラスト13巻、後藤家の唯一の良心とこの村に無関係だった一人の警官の奮闘で、ついに後藤家の凶行が抑えられていく。

 

しかし止めなければならないのは、後藤家に子供を奪われ長年の恨み辛みを蓄積させてきた普通の村人たちもだった。

 

自衛隊まで介入してもう少しで戦後最大の事件が止まると思われたその前に、ついに女子供まで血をぶちまける事態に突入してしまう…

 

 

感想

ガンニバル12巻でした。
面白度☆9 流され過ぎ度☆10

基本的に村の風習だの行事だの伝統だの儀式だのの尤もらしい言葉で、現代日本とは思えない行為を繰り返す思考停止具合が恐ろしいですね。

さあ、ラスト13巻は全てその目で確かめていただければと思います。

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