245話
道路の真ん中に堂々と浮遊するそれは、まだ螢は見れない代物だが、晴輝は自分が見えてるから大丈夫だろうと、楽観的に近づいていく。
とは言え何をどうすればいいのか分からないので取りあえず触ってみることに。
すると塊は胞子が拡散するように光を放ったのか飛び散ったのか、一瞬で晴輝は包まれ見えなくなった。

少し離れていた一行も逃げる間もなく、アッという間に飲み込まれた。
次の瞬間には四つの扉がそびえる情報エネルギーの世界にいて、特にダメージを受けたり進化体になったりと、変化が起こった様子もなかった。
螢の解釈ではこの世界は現実と対をなす表裏一体のようなもので、犯人によって強制的に入れられたのだろうという。
そんなことより、麗は愛息がいなくなったことに驚愕して青ざめた。

ただいないのは信だけじゃなくモブ隊員たちもで、この世界にいるのは主要メンバーのみだった。
なぜこのメンバーだけ選ばれたのか、もちろんそれは渚による取捨選択で、小鳥の考えでは隔離地域の生き残りであり、信はまだ言葉を理解できないからだろうと推察した。

ともあれ取り残されている螢は、まず自分が最後の扉を開かないと始まらないだろうと思い、扉に近づいて触れてみた。
するとまたまばゆい光が放たれ、一行はまたしても一瞬で包まれていった。
そして目を開けるとそこはどこかの病室で、ベッドに寝ている病人と寄り添う少女がいた。

まるでドラマの撮影スタッフのように少し離れて取り囲む一行がまさかの光景に驚きを隠せない中、きららは少女は香里だと言い出した。
確かによく似ているが兄の晴輝から見れば別人だと分かったし、設備の感じからも何十年か前の部屋だと分かると、その少女が渚で、病人が若くして亡くなった祖母だろうと察することができた。
この世界に干渉できない一行が見守っていると、程なく祖母に最期の時が訪れた。
幼い渚はただ見つめるばかりで、祖母は最後に微笑みを我が子に見せた直後、生涯の幕を閉じたのだった。

一人で母を看取った渚はそれでも涙さえ見せず、医師が臨終を確認して看護師が死出のお世話をし始める。
父親が来るまで看護師に寄り添われながら、母が死んでから最初の疑問を考察し始めた渚は、とても幼い少女とは思えない落ち着きだった。
どうして若くして死ぬ最大の不幸の時に、なぜ笑いかけたのか。
幸せだったのか?
どんな気持ちだったのか?

ママの気持ちを知りたい探求心が旅の始まりだったと語る心の声が、一行に聞こえていた。
感想
インフェクション243話244話245話でした。
そういえば死者が腐ってない設定だったなと思い出しました。
初期のハイスクールオブザデッド風味のフラグと繋がるとは、想像だにしてませんでした。
「インフェクション」ネタバレ最新246話247話248話。両親の馴れ初めを見せられる子らの苦痛と紗月の衝撃の出生!

































