ハルのチートスキル
ハルがまだJCの時にウリをすることになったのは、頭がゆるい美人な姉がヤリサー大学生連中に孕まされ、助けを求められたのがきっかけだった。

そこにタイミング良く現れたのが姉の友人を名乗る男が妙に頼もしく見え、コロッと引っかかってイイ人認定してしまったのが運の尽きだった。
中絶費用も恋愛のゴタゴタも解決してくれ、さてどうやってお金を返そうと考えたその時、ウリを持ちかけられたのだ。
恩があるハルは断れずにおっさん共に身体を差し出し、はした金で働くイイ鴨にされていると分かったのと同時にイイ人ではなかったことを思い知るだけだった。

結局親に頼って全てぶちまけて怒られて何とかしてもらって、股が緩い噂を流されて転校し、明るい美少女の印象を振りまいて自分を殺してうまくやっていたのだが、その時の冴えない連中の中に千葉がいたらしい。
そしてカーストだなんだと陽キャを蔑む陰キャ持論を振りかざす千葉こそ、周りを見ようともしない身下げ果てた奴だと思い知り、訣別を言い渡した。
しかし今だけは、颯爽と助けに来てくれたら二度とバカにしないと思ったが、現実がそこまでドラマティックじゃないことは分かっていた。

天気が崩れて帰る期限が伸びてしまった豪雨の日、ハルは肉便器にされる軍部での数日と比べ、娼館で働く自分やあの店の雰囲気が好きなことを思い知った。
あそこがこの世界で唯一、帰れる場所だと思うと少しは陰鬱な気分が晴れ、むしろ逆に兵士の相手を積極的にしてやろうと思えた。

その矢先、兵士たちの前線出動が決まり、ハルの最後の慰問プレイは中途半端に終わった。
約束通りの三日間、無茶苦茶に扱われたが意外と元気で難なく乗り越えたハルは帰り際、ビスクに言いたい事を言ってやった。
しかしお返しとばかりに、まさかの一言を告げられたのだった。

シクラソは入れ替わりで帰れてはいなかった。
ハルが連れ込まれた後で、また軍部に戻されて引き続き便器にされていた。
見つけた時にはもうボロボロで、ハルはこれから死んでもおかしくない奴らに向かって殺意をぶちまけるしか今はできなかった。

顔にまで及んでいる身体中の痛々しい傷痕。
弱弱しい息遣い。
キヨリはすぐに治癒術をかけていき、容体を見てまず顔は元通りの美人さんに戻してあげると、これが最期の会話になるから楽しく明るく話しかけて、天国への希望を持てるようにとハルに促した。
まさかの言葉。
残酷すぎる結末。
ハルは笑えだなんて到底受け入れられないが、この世界での最後は笑顔にさせてあげるのが習わしなのだと言われたら、自分の怒りや悲しみを優先している場合でないのは理解できた。

歌姫が最後まで信じていたのは、好きな人に愛される未来だった。
だからハルは、畜生にも劣る外道共への怒りが治まらなかった。
自分と千葉は別の世界から来たことをキヨリに明かしてから出発したハルは、自分も神様からチートスキルを与えられていたことを感じ、そして最初に見つけた兵士の変わり果てた人間性に、怒りよりも哀れを感じた。
感想
JKハルは異世界で娼婦になった5巻でした。
面白度☆7 胸糞度☆8
百隊長は魔物が擬態でもしてるんじゃと思うほどとんでもなく悪影響がありますが、独裁者的なカリスマ性の賜物かも知れませんね。



































