222話223話
甲斐谷が攫った後、追手はさらに追撃を深めてマオモ領に踏み込んだ。
途端、侵入者を知らせる鳴子がけたたましく騒ぎ立てたが、それは戻ってきた若林たちが引っ掛かっただけだった。
ベタだが一定は警報システムとして作動してくれたのが証明されたところで、佐々木らを無事に連れ戻ることができた。
その報で今からお風呂をいただきにいこうとしていた葵は荷物を放り出して駆け、親友と生きて再会できたことを喜び合うのだった。

麗しく女子の友情。
命を大切さを思い知る究極サバイバル。

数年前、葵が入院していた時も佐々木は時間があれば見舞うほど二人の絆は強く、その姿を啓太も見たものだった。
二人の感動的な再会が清涼剤の如く漂ったのはいいが、甲斐谷がついてきてないことに若林はイラっとさせられ、迎えに行くことにした。
若林は仲間になったおっさんのヤスエに付いてきてもらい、夜道を戻っていく。
闇に潜みながら様子を窺っていた追手たちは、マオモ謀反の疑い、マイルなら十分にやりかねない嫌疑を強めた。
ただすぐに襲撃する気はなく、あくまでチオモを無事に奪還すること優先で今は撤退、ガモウに報告すべしとリーダが決定しつつも、若林だけは今の内に始末することになった。

一方、感動の空気もそこそこに庵では、相川が宝塚のような派手なコスプレ姿を披露していた。
もちろん啓太による深い考えに基づいた作戦の一環で、豪華な衣装にプラスして小型マイクとスピーカーを仕込み、しこたまいじくってくれた婆さんを手玉に取る番だという。

その時、空が不穏な嵐の予感を漂わせ始めるとほぼ同時に、無線に英語の声が流れ込んできた。
不明瞭で途切れ途切れ、それでも外部との繋がりはかつてないこと。
まさに今、七瀬を案内役に救助隊が島のすぐ近くまで来ていたのだが、意志を持ったかのような嵐に侵入を拒まれていたのだった。



































