30話
彼の上に覆い被さった彼女は、グッと腕に力を込めた。
その時、彼が乗らなければならないバスのエンジン音が聞こえてきた。
停車するのは15分間だけ。
それまでにバス停に着かなければまたこの村に取り残される。
しかし彼は彼女の目を見つめ、抱きしめ返してお互いの鼓動をぶつけ合った。
しばらくそうしてから、この村も君の事も忘れないと彼は囁き、彼女は涙を滲ませたまま、「うん」と答えた。
立ち上がって歩き出し、バイクが停めてある道まで出た所で、彼女は何かを打ち明けようとした。
その時、彼の名前を呼ぶ別の声がした。
それは、彼が二度も恐怖を訴える電話をかけた春子だった。

春子は彼が心配になり、会えるかどうかも分からないこの山奥まで来てくれたのだった。
乗ってきたバスが折り返しですぐ出るから行こうと言いつつ、彼の後ろにいる澄子を見た。
彼はお世話になった民宿の子だと紹介するが、春子は彼の電話から村に怖いイメージを抱いていたので、澄子に鋭い視線をぶつけた。
すると澄子は仲良さげな二人を見た嫉妬からか、みづえや他の色んな女たちと彼はセックスしたのだと暴露した。

そして、また川へ下りる道を戻り始めた。
31話
彼は澄子が気になってスッと歩こうとせず、春子は彼の手を強引に引いて行こうとする。
その時、冷たい川の中に澄子が入って行くのが見えた。
急かす春子の声。
水をかき分ける音。
近づいてくるバスの走行音。

結局バスの音は遠くなっていき、春子は彼を詰りまくった。
彼は春子を無視し続け、冷たい川の中に入る気はなかったが滑り落ちてしまい、痛いほどの冷たさに震えながら澄子に近づくと、彼女は刀は自分が持っていると言った。
また宿に舞い戻った。
春子は澄子が暴露した、女たちとセックスしたのどうのという話が気になり彼に訊ねたが、彼はモゴモゴと適当にごまかした。
客室は一つしかなく、二人は同じ部屋で寝た。
翌朝にすぐ出発するつもりだったが彼は川に入ったせいで熱を出してしまい、また村に留まらざるを得なくなり、春子も彼を置いては行けなかった。
32話
春子が取りあえずの日用品を雑貨屋に買いに行こうとしたタイミングで、大人の男と鉢合わせて驚かされた。
嫌な視線を感じながら春子が雑貨屋に入ると、中では数人の男女がいて、一人の女のズボンを下ろそうとしている所だった。
彼女が入ったとたん、ピタッと騒ぐのを止め、ひそひそと小さい声にシフトした。
澄子は春子がいない間に彼の部屋を覗き、苦しそうにする彼に水を飲ませてタオルを取り替え、階段を上がってくる足音が聞こえると、すぐに自分の部屋に戻った。
春子は澄子がいた痕跡に気付き、マサシと同じく相浦のことが好きなんじゃないの?と探ってみたが、彼は答えずに目を閉じている。
春子は自分も同じ気持ちだと言おうとしたが、最後まではっきり言えず、一人では帰れないと続けた。

彼はかなり汗をかき、その日の内に大分熱が引いて歩くのに問題ないほど回復した。
そして風呂上りの澄子に声をかけ、刀について切り出した。
感想
花園メリーゴーランド3巻でした。
面白度☆8 猿度☆8
まさに覚えたての猿みたく、幸枝に欲情し、みづえに夜這いを仕掛ける相浦君。性欲満載の男の子だから仕方ないですね。
春子も巻き込まれ、澄子はデレかけ、男たちも帰ってきて動乱が起きそうな気配しかしない4巻へ続きます。
https://kuroneko0920.com/archives/34663




































