夜のうちに幸子の歯ブラシを堪能し、吐き出さずに飲み込み、忘れにずに鍵をかけて何事もなかったように軽トラを運転して自分の部屋に帰った。
翌朝も何食わぬ顔で軽トラで出勤すれば、何も知らない女子生徒たちがキャッキャと群がり、彼も軽くあしらう体で笑顔を返す。
それを遠巻きに見ていた幸子は、彼を白馬の王子様のように思っていた。

ラブリンは余計なものをゴテゴテ加えていないものが好きだった。
だから、今時の女子高生に持て囃されても、心の中では「加工物ども」と蔑んで見ていた。
一方、友達の丸井を伴っておずおずと話しかけてくる幸子の化粧っ気無しで髪型も野暮ったくて、天然巨乳なところが堪らなく好きだった。

そうして幸子から接触してくれる日に限って、イタズラは仕掛けていなかった。
ただ、幸子のスマホのカメラを通じて会話からその時の表情からリアルタイムで手に入れていたので、夜は幸子動画を視聴して楽しんでいた。
バイト帰りに丸井と一緒に帰り、期せずして自分の話題が出たことにほくそ笑む。
天然素材が好きな彼は、だから幸子をいじめるために自然を利用したトラップを夜のうちに仕掛け、満足して一日を終えた。

図書委員をしている幸子は、実は委員長の矢作に好意を持たれていたがとんと気づいていなかった。
もちろんラブリンは幸子の委員活動をしているお昼の時間も抜かりなくチェックしていて、今日は職員室の窓の向かいに見える図書室を観察していた。
しかし、日焼けした肌が暑苦しい脳筋タイプの牛島先生に話しかけられ、しかも窓に面した棚に腰掛けられてトークを始められ、心中で罵りまくった。

今は、ラジオ感覚になった幸子の声だけでも聞こうと、牛島を更に罵った。
なぜなら、返却作業を主に担当している幸子が引っかかるように、トラップを仕掛けていたからだった。
牛島がどく気配がなく、いい加減イライラしながらもそつなく会話をこなしていたその時、慌てた様子の女子生徒が職員室に飛び込んできて、ラブリンを引っ張って図書室に向かい始めた。
これこそ、彼が待ち望んだ緊急事態だった。

棚にワイヤーを張り、本を戻せば設置した泥満載のプランターが落ち、幸子にぶっかかる手筈だった。
しかし、ワクワクして騒ぎになっている中心に行くと、泥だらけになっていたのは矢作だった。
傍には、どうしていいか分からずオタオタしている幸子がいた。

名前も覚えていない矢作がトラップを台無しにしたことに絶望するが、評判のいい熱血教師として生徒をシャワー室に連れて行かない訳にはいかなかった。
シャワーで泥を落として綺麗になった幸子の感謝の笑顔を見たかったが、見れたのはどうでもいい矢作の少し戸惑った顔だった。




































