翌朝、矢作が幸子の誕生日を知ってたり、男として何かとアピールしようとしている会話内容を盗聴したラブリンは、邪魔者を排除することに決めた。
ラブリンは一応、子供の頃に母親が目の前で自殺したという、重たい過去があった。
保険金を自分のために残して見事にこの世を去った母の遺言は、人を守れる人になりなさいだった。

だからなのか、糞尿を垂れ流して動かなくなった母の言いつけを守らなければと思い、自分で追い込んだ相手を自分で守るという、二重の役割で願望を満たし始めた。
そして、歪んだ情熱を持って着任したクラスは、大した問題を抱えていなかった。
飲酒、喫煙、不順異性交遊なんてどこにでもあることで、自分が出る幕ではないと思った。
そんな矢先、家庭訪問で幸子の隠された魅力と自分と似た私生活を知り、これだと思ったのだった。
そんなこんなで、矢作のメッセージアプリに「桜井幸子には近づくな」と、脅しのメッセージを送った。

どこの誰から送られてきたか分からない気味の悪いメッセージに矢作は図書委員の仕事中も集中できずにビクビクしていたが、自分を狙ったであろう泥トラップの被害を代わりに受けてくれたことを改めてお礼してくる思わせぶりな幸子の言葉に、矢作はごちゃごちゃ考えるのを止めた。

好きな女の子も守れないで何が男だと思い、今まで通りに幸子と会話しながら代わりに返却作業をして彼女の感謝に笑みを零した。
もしかして幸子も自分のことを・・・
なんて期待しながら新着メールを開くと、二通目の脅迫メッセージと泥を洗い流している自分のシャワーシーン画像が添付されていた。
当然、無防備な全裸だった。

もうここまでされたら仕方なく、幸子を遠ざけるしかなかった。
邪魔者を排除できたことに内心ほくそ笑んでいたラブリンは、高性能ペン型カメラを忘れずに胸ポケットに挿し、外付けHDDに収められた1TB分の幸子を思い、無意識に万歳をした。
その時が職員会議中だと忘れていて、無意識に手を上げた結果、二人一組での夜回り当番に決定したのだった。
相手は男性教師が皆性的な目で見て、独身教師は虎視眈々と狙っている保健室の椎名だったが、ラブリンにとっては彼女もその他大勢の女子生徒と変わらない加工物にしか見えなかった。
しかし、夜回り当番について椎名が話していたことを適当に聞いていたせいで、思わぬミスをしてしまう。
椎名もまた人気者ラブリンに首っ丈で、このペアを組んでいるうちに肉体関係を持ちたいと思い、保健室に戻って一人になるなり、疼く股間をいじり出した。

その直後、ラブリンがやたら太いペンを夜回り当番用の名簿ボードに挿したままにしているのに気づいた。
朝のホームルームで教室に行き、点呼を取ろうとしたその時、彼はペンを失くしていることに気づき、保健室に急いだ。
椎名はペンをすぐに返そうとしなかった。
このペンにカメラが仕込まれていると知ってか知らずか、とにかくこのペンに何かを感じ取ったらしく、自慢の胸の谷間に挟んで甘えた表情を見せた。

それは一瞬の悪ふざけだったのか、すぐにペンを返してくれた。
しかし、当然ラブリンはその後の授業中は気が気じゃなかった。
それでもいつも通りに授業を行い、いつものように幸子を指名した。
そしてまた幸子はもじもじして立ち上がらず、丸井がまた接着剤を椅子に仕込まれてイジメられていると暴露した。

彼は驚愕した。
なぜなら、今日は幸子に何もトラップを仕掛けていなかったからだ。
感想
ホームルーム1巻でした。
面白度☆9 忍者度☆9
幸子が帰宅する前からベッド下に潜んでいたんでしょうけど、そうだとしたら圧倒的な気配の消し方ですね。
子供の頃は気の毒ですが、イカれ過ぎてて情状酌量の余地がないですね。
展開が倒叙ミステリのようでいて、またそれに乗っかった第三者が現れるところは、かなり今後に期待したいと思いました。
https://www.kuroneko0920.com/archives/49435


































