31話
とにかくありったけの武器をつぎ込んだ自衛隊の決死の戦いから一夜明け、普通に学校に行くため家を出た零。
近所の街並みは何も変わっておらず、しばらく歩けばパピコと出会ったあのフェンス沿いの通りにさしかかった。
何気なく足を止めたその時、どう見てもパピコにしか見えない後ろ姿の女性がいることに気づいた。
驚いた零が振り向けとばかりにジッと見ていると、何かを見ていた女性はまた前を向いて歩き出した。
しかし、パピコとは似ても似つかない別人だった。

こんなところにいるはずのないパピコじゃなかったことに一人気落ちした彼も、再び歩き出した。
駅に着けば今までと変わらない日常が続いていて、出勤や通学に利用している人たちがわらわらと車内に吸い込まれ、東京壊滅の危機などなかったようにしている。
ただ中吊り広告はやはり、一連の事件の内容で埋め尽くされていた。
首相への批判。
自衛隊への賛辞。
パピコ解放を訴える無責任な言葉。
ETE掲示板では初めて願いが叶えられなかったことを嘆くコメントで溢れていた。
意味もなく東京在住の人間よいなくなれ死ねと願っているのが、果たしてトチ狂ったネット民なのか、地球外の勢力なのかは分からないが、東京都民と言うだけで他の地域に住んでいる者からすれば、十分に死んでいい理由になるようだった。
どんな意見でも話題でも、賛否両論あるのは当たり前、ない方が気持ち悪い。
なのにマスコミもネット記事も、何かあればすぐに〇〇に賛否!
モラル低下は個人でも企業レベルでも、どうしようもないほどだった。
そんなしょーもない意見や記事を見ていた零がふと流れていく景色に目をやると、あっちこっちで処理されずに巨人たちの死体が放置されていた。

その景色に何も違和感を感じなかった直後、何もツイートしてないパピコのツイッターのフォロワーが爆増しているのに気づいた。
まさに時の人ならぬ裸の巨人。

すると今度は緊急速報のアラームが鳴り響き始め、車内が騒然となっていく。
電車がついに緊急停車すると、地震でも起こったのかグラグラと大きく揺れ始めた。
何もできない乗客たちは落ち着きを保つだけで精一杯。
揺れが次第に治まってまだ車内がざわつき始めると、ETEの掲示板では破壊神3体に願いを託すイカれたコメントが羅列されていた。

そして、友達の中島から絶望のメッセージが送られてきた。
更に車内のざわつきは加速度を増し、皆外を見て「また来た」と叫び始めた。
今度こそ洒落にならないレベルの超巨大破壊神が3体地上に降りたとうとしていた。
膝辺りまででちょっとしたビルくらいある巨大さ。
しかも、子供が大好きなクワガタやカブトムシをモチーフにした頭部のデザインが逆に恐ろしさを倍増させているようだった。

ニュースでインセクツ破壊神降臨のニュースを観た零ママは、すぐに電話をかけた。
感想
ギガント29話30話31話でした。
零の判断は結果オーライで良かったですね。
手が痛いってことで引き下がってくれたおっさんにちょっと可愛さと可哀想さを感じもしましたが、まあ殺すなら殺される覚悟も必要ですし。
そして角で攻撃してきそうな破壊神に対して、日本はどう対抗するのか?
https://www.kuroneko0920.com/archives/58652
https://www.kuroneko0920.com/archives/14995


































